何年前だろう・・・

数ある出会いの中で、私の価値観を変えた女性がいます。

(長文ですよ~)


彼女は当時90代。一見すると、普通のおばあちゃん^^

確かに機敏な動きや判断力は、若い者には劣るものの、

その人生をかけて培ってきた人格は、私たちなどでは到底かなわない。

古き善き日本人女性の品格を備えた尊敬にあたいする女性と思っています。


初めてお会いした日、差しさわりのない会話をしていました。

ふと、部屋に飾ってある写真を見て、社交辞令的に声を掛けました。



※会話は、大幅に省略しますね。「心に触れる時」と題して、冊子にしてサロン置いてあります。

私 「ご主人様ですか?お優しそうな方ですね^^」

          (略)

            

氏 「ええ亡くなった主人です。面倒見が良く、誰に対しても優しかった。

   私はいつも、羨ましがられてましたよ。

   でも・・・家の中では逆。全ての判断は主人。

   家族の者は、主人に逆らうことなど出来ませんでした。

   典型的な亭主関白・・・ 好きなTVも見れず、好きな事も出来ず。

   この家は主人を中心に回っていたんです。」   
            

           (略)

            

私 「…それでは、随分とご苦労なさいましたね。」

氏 「苦労? 私はご苦労など一つもしていませんよ(笑)」



氏 「苦労されたのは、主人です!

   私は主人の後をついて行っただけ。苦労などしていません。」

私 「・・・」


           (略)

氏 「いいですか、私はね、主人を見て『この人なら』と思って結婚したんです。

   この人について行くと決心したから結婚したんです。なぜなら・・・」

私 「なぜなら・・・愛していたから?ですか?」



氏 「人生にはね、何がある判らないの。道に迷うこともある。」


氏 「この人なら、私と子供たちを引っ張って行ってくれると思ったの。

   強引に こっちへ来いと引っ張られ、

   ついて行った先が崖っぷちだったとしても。


    人生そんな事、いくらでもあるわ。 けれど彼なら、

   たとえ道がふさがれてようが、行き止まりだろうが、

   『ならば、こっちへ行くぞ』と、私たちを引っ張っていく。

   決して私たちを見捨てはしない。何とか進む道を必死に探し、

   胸を張って『ついて来い!』 そういう責任感のある人。


    いいのよ崖っぷちでも。。。もうダメだ。あきらめろなんて言わない。

   私たちは、そんな主人の後をついて行くだけで良い。

   楽なものよ。分かるかしら?

   苦労したのは主人よ。そんな人だから結婚し、命がけの主人に、

   命がけでついて行った。それだけの事。」


             (略)


私 「どうか、長生きしてください。娘さんが羨ましい。」

氏 「私はそんな大した人間ではありませんよ。それに娘は頭がいい。

   私なんて、怒られてばっかりですよ(笑)」



 かつての日本人女性の精神の美しさは この上ない。

 真似たところで かなわない。

 いずれ、このような言葉を聞くことも、姿も見ることも・・・そう思いました。


 一期一会。。。

 彼女とは、わずかな時間の共有でしたが、

 その時間は、いまでも大切な 私の宝です。