あの本や…
…あの禁煙の本を読めば、もしかしたらタバコを簡単にやめられるんちゃうか…
あの本を私の家に置いて行ってくれた友人…彼はあれからタバコを吸っていない。すなわち禁煙に成功している。
それだけではない。
彼は3年前にランニングを始めた。
当初、私は先輩面をしてランニングに関してアドバイスのようなものを彼に言っていた。
しかし彼はアッと言う間に私を追い抜いていった。
まだ彼がランニングを始めて間もない頃に出走した地元のハーフマラソン大会の、15㎞地点だったと記憶している。
彼の背中はアッという間に見えなくなった。
私は、私自身が彼に対して恥ずかしく、情けないという気持ちになるのだろうな、と思っていた。
しかしゴール後に笑顔でハイタッチを交わした時の彼の爽やかな姿にそれらの感情はどこかへ遠ざかり、代わりに「尊敬」や「憧れ」といった感情が浮かんできたのだった。
彼は私と違い¨イヤミ¨がない。
彼は去年の春、初めてフルマラソンに出走し完走。秋には36㎞のトレイルランの大会にも初めて出走し約8時間をかけて完走した。
友人らで作るランニング仲間内で初めてトレイルランの大会を完走した第一人者となった。
積極的に前向きにランニングに取り組む彼は、今年の1月の駅伝大会の7㎞のコースを28分21秒という驚異的なタイムで駆け抜け次のランナーへと襷をつないだ。
私の7㎞のタイムは34分を切れるか切れないか…全然違うタイムとそのスピードに本当に驚いた。
そして、その1週間後に私も出走した地元の「高槻シティハーフマラソン大会」で彼の背中は…私からはもちろん見る事が出来なかった。あとで聞くと1時間40分ほどでゴールしたらしい。このタイムも私にとって驚異的なものだった。
私も目標タイムの1時間50分を切り、1時間49分25秒でゴールし満足だったのだが…
彼のタイムを聞くと、約10分の差がついていた…その事に少しの絶望を覚えた。
トレーニングの質や量では負けていなかったハズ…なんでやねん??
理由の大きな1つは分かっていた。
ただ、それは…言いたくなかった。思いたくなかった。
「タバコやめたら…」
タバコをやめたら彼のスピードに近づけるんちゃうか…
ほんまにやめれたら心肺機能は絶対強くなる。
そう確信をするも、1月の終わりの私が禁煙に踏みきる事はなかった。
けれども2ヶ月後に決意する「禁煙」へのプロローグはこの時に始まったのはたしかだ…
そう、彼のように速く、そして強くなりたい…
「禁煙」へ導いてくれた人…その③ 終了。
その④へ続く。