忠平企劃有限公司@松崎と申します。

私が初めて台湾でお勤めした争鮮の販売促進ついてお話します

 

【台湾の回転寿司・争鮮】

 

1996年創業

台灣最大の回転寿司ブランド

現在世界で400店舗展開

海外進出は中國大陸・香港・シンガポール・タイ

従業員数10,000名以上

 

展開している業態

l  争鮮(回転寿司)

l  争鮮gogo(寿司テイクアウト)

l  定食8(日式定食店)

l  MAGIC-TOUCH(高級回転寿司)

l  GO-FRESH(業者向卸売)

 

企業簡介 | 爭鮮關係企業 (sushiexpress.com.tw)

 

争鮮の販促方法】

 

私が台湾の争鮮時代の販促についてお話します

販促は、原則1ヶ月毎行います(1日~月末)

20年ほど前のお話です 私が着任した時のは9月・・・11月までの販促計画は出来ておりましたが、11月の販促は董事長の指示で「急きょ変更」となりました

販促を開始するまでのスケジュールですが・・・

3ヶ月前 企画会議 経理(部長クラス)が販促計画をプレゼン 私案も部下にプレゼン

企画会議から2週間後、再度幹部で企画会議 販促のお客様への効果・商品調達・商品開発スケジュールを作成し、争鮮のグループ経営陣会議への準備

2か月前 グループ経営陣会議で発表 董事長に可不可を問う 董事長の可(OK)が出てから準備に入る 不可の場合には、2週間後に再提案(私は再提案はなかった)

1ヶ月前 販促計画の準備状況を発表 部下に食材調達・包材調達・広告作成を指示

販促終了後のグループ経営陣会議で結果ならびに費用対効果、問題点を発表

20年前から、PLAN→DO→SEE→CHECKのマネジメント・サイクルを実施し、成長を続けている 日本以外で最大の回転寿司チェーンである

 

【当時の争鮮・販促 費用対効果

 

当時の争鮮、回転寿司20店舗、持帰り寿司20店舗なので、当然TVコマーシャルなんて打てない(台湾はケーブルテレビ100局あまり)費用は高いが効果が得られない SNSもない時代、出来る販促は店舗ポスターや商品POPの印刷物程度 テイクアウト店舗の立地は、台北MRT駅が多いが、駅や車両に「広告」を出せば効果てきめんだが、そんな予算はない・・・董事長に「MRT広告」を出せと言われたが、予算と広告価格が10倍以上の差があり、断念した(泣)

 

【私が実行した争鮮テイクアウトの販促

 

11月の販促「1元鮭魚壽司」

 

 

争鮮テイクアウトの主力商品は、日本ではみかけなくなった「ラップ壽司」1個NT$15(¥60)で販売している壽司を、1人様3個限定で「鮭壽司(サーモン)」を販売した 売上は前年比160% ただし、サーモンの出荷をしていた部署、品中品(セントラルキッチン)の総経理には、相当いじわるされた(泣)ちゃんと出荷してくれれば、200%売上増はしていただろう ただし「ラップ壽司」はメニューミックスなので、利益も増大した お客様が増え、売上が上がれば、当然利益は増え、MRT駅前立地なので、広告効果もあった

12月の販促「聖徳節壽司セット」

「ラップ壽司」中心の商品構成から、セット壽司の販売に切り替えたかった 理由はラップ壽司はおやつ感覚で、購入顧客は中高生が多かった 5NT$から15NT$のラップ壽司で客単価は、NT$60ほど・・・聖徳節壽司セット(クリスマス壽司セット)の販売価格はNT$100(9貫) セットの目玉壽司は「イチゴ軍艦壽司」と「うずら卵軍艦壽司」の開発、原材料コストは安いし、まぐろ・いか・サーモン・海老とイチゴ・うずら卵で「赤・白」のクリスマス感も演出、可愛さもプラスして中高生にも好評だった

こちらも売上前年比、150%達成した

ただし、翌年1月以降は、台湾国内でSARSがまん延し、すべての販促は中止となる

 

【日本と台湾・販促の違い

 

日本の販促、日本には四季があり「春の〇〇」「秋の〇〇」のような販促は各社おこなっている 台湾は、真夏と冬しかないので「季節感」を出す事は難しい 台湾の販促の特徴は「北海道直輸入」とか「築地直送」なんて言葉に弱い(台湾在住日本人も同様・笑)「北海道フェアー」は回転寿司・争鮮で行い、こちらも大盛況であった

ただポイント販促「恵方巻」や「土用の丑の日」「御節料理」は行っていない 争鮮の販促計画は、当時原則一か月毎であり、ポイント販促の食材仕入は、万一こけた場合会社は、食材ロスで大損失を負う可能性があった

 

【松崎的考察】

 

日本の寿司マーケットの一番は節分の「恵方巻」であります

テイクアウト寿司店だけでなく、スーパー、コンビニで予約で販売されています

 

次回 陸拾玖皿目、「恵方巻」について続きます!

 

ご依頼事項・ご質問ございましたら、taipeicyubei@gmail.com までご相談ください

 

以上