エイト「なるほどね~」





エリ「実際に家庭っていうのを見せれば、イメージつくかな?と思って」





「ケンが、仕事でいっぱいいっぱいだからな
もうちょい余裕が出ないと、結婚に踏み出せない感じがする」





「やりたいお仕事だったのかな?」





「多分、そうだと思うけど
仕事が云々と言うより、周りとまだ打ち解けていないような」





「あいつ、気難しいからな~」






「勘違いはされやすいけど、本当は良い奴なんだけどな~」





「ハルカ、だいぶ待たされているしね
そろそろ、今すぐじゃなくても何か決まらないと
ハルカも、待ちくたびれちゃうね」





「そうだな
元気になるものでも、作るか
その日は、何作ろうかな?」





「休みなんだから、簡単なモノで良いよ」





「ストレス解消になるから、大丈夫だよ」





〈一方〉




今井「あいつ、五月病とかにならないよな」





ヒロ「そんなにヤバいの?」





「だって、飲みに誘うとか今まで滅多に無かったぜ
そんなヒマがあるなら、寝たいとか天体観測とか」





「そうね~、まあ最悪ヤバかったら、うちの会社に来てもらえば良いじゃない」





「お前、何も分かってねぇな
俺が社長なのに、そんなとこ入るかよ
仕事の時に、俺のことを社長って呼ばなきゃなんだぜ」





「それも、そうね」





「それにあいつが、レジ打ちとかしてるとこ想像出来るか?」





「あはは、無理~」





「とりあえず、今度エイトさん家に行くんだろ?
エイトさんに任せとけば、何とかなるっしょ」






「あなた、同級生でしょ?
少しは何かないの??」





「あいつ、気難しいから俺の言うこと聞かないんだって
俺は当日、エイトさんが作った物を残さず食べるだけ」





「あら、あたしの料理じゃ満足いかないかしら?」




「いやいや、いつもお前の飯は食べてるけど、エイトさんのはたまにじゃん」





「まあ、確かに
あたしも料理してくれる旦那様が良いな~」





「たまに、するがな」





「お好み焼きでしょ~?」





「俺の十八番!」




「まあ、いいけどねぇ」




「それよりさ・・・」




ガサゴソ




「どうしたの?」




「ほれ、学校案内書
コタロー、国立か私立の小学校入れないか?」




「えぇ~、急に何?」




「だって、いずれは俺の跡を継ぐかもしれないだろ?
良い学校入れなきゃじゃね?」




「小学校から・・・」





「エイトさんに、この前聞いときゃ良かったな~!!」





(あら、もしかして・・・
エイトさんに負けず劣らず、子煩悩なのかしら?)
















続く
一方




ハルカ(うわぁ、報告書溜まりまくりだよ
でも、あの女子ランチ会は行きたいから終わらせないと)




アカネ「ハルカさん、聞きましたぁ?」





「何かあったの?」




「Aさん、辞めちゃうらしいですよぉ」





「うそ!?何で?」






「寿退社ですって、良いですよねぇ」




「あぁ、そうなんだ
てか、Aさん辞めたら海外行く率高くなるわね」






「ハルカさん、語学堪能ですもんねぇ」






寿退社か





いつになることやら・・・






〈あの女子ランチ会〉






ヒロ「あっ、ハルカさん、やっと来た~」





エリ「遅いよぉ」




「すみません、仕事がなかなか切れなくて」





「ツアコンって、カッコ良いですねぇ」





「ヒロが思っているような、格好良い仕事じゃないわよ」





「まあ、とりあえずハルカが元気そうで安心した
ケンがこの春から働き始めたから、会えなくてフラストレーション溜まりまくりかと思った」





「あんまり、変わらないですかね
・・・やっぱり、毎日家で会えるって違いますか?」





「うちの夫は、家事も育児もやってくれるから助かるかな?」





「うちの旦那様は、まだ子どもみたいな人だから大変です!
子どもが3人いるみたい(笑)」←実際は2人







「いや何か・・・毎日顔が見られて幸せとか、一緒にいるとホッとするとか・・・・・・そういうのとかは?」





「あぁ~、そんな新婚の時ほどじゃないけど、まあ多少は」





「そんな時代もありましたね(泣)
て言うか、うちの旦那様は社長兼遊び人だから、あんまり一緒にいない気がする」





「まあうちの夫は家にいるっちゃいるけど、今は子どもばかり構っているから、一緒にいても一緒じゃないっていうか」





「そうですか」





「そういえばさぁ~
ケンも働き始めたんだし、そろそろゴールイン??」





「えっ、そうなんですか?ハルカ先輩は、ウェディングドレスとか似合いそう♪」




「全然、そんな話なんてないわよ」





「まあ、ケンは奥手だからね」





「ケン先輩と言えば、背中で語る人のイメージがありますけど」





背中じゃなくて




ちゃんと言葉で欲しい




無口でも、そういうのくらいは





どう思っているのかな?





ちゃんと未来設計とか、してんのかな?






「お~い、目が遠くを見つめているぞぉ」





「あっ、はい
ごめんなさい、何でしたっけ?」






「スイーツですよぉ、ハルカ先輩はどれ食べるんですかぁ?」





「えっとね・・・」






「・・・今度、うちで集まろうか?」





「えっ?」






「いいですね~
コタローもレイナちゃんと遊んでいると、楽しそうだし」




「ケンとハルカは、うちらの子ども達とあまり顔合わせることないし、たまには見に来れば~?
子どもって、案外成長早いのよ」





「そうなんですね」





「じゃあ、決まりね
詳細は、またLINEするから」











続く
これは・・・




不器用で寡黙と男と




少しばかり気が強い女の





一つの恋の話





ケン「・・・」





「君々、ちょっと良いかね?」





「はい」





また、説教か・・・






俺、怒られてばかりだな





「君は、少々暗いんだよな~」





「はぁ」





「若いんだから、もっとフレッシュに行きたまえ」





「はい、すみません」





「分かったら、もうよろしい」





ちくしょー、そんな事でいちいち仕事の手を止めさせんなよな





彼の名はケン






一応、東京大学を出て、大学院まで出ている





ただ、寡黙な事が災いし、入社したばかりの会社でも苦労している






〈その夜〉





今井(たまには、店舗でレジ打ちとかも良いな~
デスクワークばかりだと、身体がおかしくなるぜ)





ピピッ♪






(ん?ケンじゃねぇか
珍しいな、こいつから飲みの誘いが来るとは)






~ところ変わって~






今井「よぉ、どうした?」





ケン「わりぃな、急に」






「別にいいけどよ、浮かない顔してんな
あっ、生一つ!」






「社会人って、大変なんだな」





「ようやく、社会の大変さが分かったか~
俺様なんて、社長だからな
お前の何億倍も大変だ!」





「ふんっ、ヒロのおかげで社長になったくせに」






「まあ、何でも良い
愚痴なら聞けるけど、アドバイスは出来そうにないから、学習塾の先生呼んどいた」






「助かる」





〈数十分後〉





エイト「遅くなったな、申し訳ない」






「いえ、大丈夫です」





「こいつ、社会の大変さが今分かったらしいです
おせぇよ!バカヤロー!!」





「うるせぇな、酔払い(笑)
で、ケンは仕事が嫌になっちゃったのか?」






「嫌じゃないですけど、毎日怒られてばかりだし
何だかな~って」





「みんな通る道だよ、始めから出来る人間なんていないからな
東大出のお前だって、例外じゃないってことさ」






「そうなんですかね、もう少し明るくしろって言われてもな」





「ガッハッハ!俺様を見習え!!
いつでもどこでも明るいぞ」





「社長は確かに明るいですね
でもなケン、上司の方には申し訳ないが、人には向き不向きがあるから無理しなくても良いんじゃないか?」





「まあ、そうですよね」





「ケンは頭が良いんだから、上手く立ち回ることを考えたらどうだ?」





「なるほど」





「俺も働き始めは大変だったよ、でもまあこうして何とかやって来られているし」





「どうやって、乗り越えたのですか?」





「奥さんかな?
あいつがいるから、何とかしてでも頑張らなきゃって踏ん張れる気がする」





「エリか・・・」





「娘も大事だけど、奥さんの存在はやっぱり大きいな」







「お取り込み中すまないですが、うちの嫁さんと誰か電話代わって下さい」




「ん?ヒロか
俺で良ければ・・・もしもしヒロ、エイトですけど」





ヒロ「あっ、エイトさ~ん
本当にエイトさん達と飲んでいるんですね~
でも、うちの旦那様にあまり飲み過ぎないように言って下さい」





「ごめん、もう手遅れかも
まあ、あまり遅くならない内に帰らせるよ
じゃあな」





「うちの嫁さん、怒ってました??」





「ちょっとな(笑)
どうせ年甲斐もなく、遊び倒してんだろ?」






「飲まなきゃ、やってられない日もありますよ~
この前、飲み屋の名刺が見つかっちゃって」





「社長は大変だからな
でも、子どもいるんだから、早く帰れって
俺も娘の顔見たくなったから帰るかな」






(エイトさんも今井も、すっかり一家の大黒柱だからな
俺はいつになることやら・・・)












続く