本競走は1996年、中央・地方競馬相互の交流拡大に伴うダート重賞競走の整備の一環として、4歳(現3歳)以上・混合・ハンデキャップの重賞競走として創設された。


第1回は6月下旬に阪神競馬場・ダート1800mで行われたが、翌1997年に開催時期を繰り上げ、5月の京都競馬場・ダート1800mに舞台を移したことに伴い、5歳(現4歳)以上の競走に変更となった。さらに2000年以降は4月下旬に繰り上げて行われている。また、2003年に負担重量が別定に変更された。



出走資格は、1997年に中央競馬指定交流競走となり、地方馬は5頭まで出走が認められたが、2005年から4頭に変更された。また同年、国際競走に指定され、外国馬は4頭まで出走可能となったが、2007年の日本のパートI 国昇格に伴い、外国馬の出走枠が8頭に拡大された。



競走名の『アンタレス(Antares)』は、ギリシャ語で「火星に対するもの」という意味で、さそり座のα星を指す。



JRAのダートGI 、フェブラリーSとジャパンカップダートの日程は約10か月も離れており、JRA所属のダート巧者たちはこの間、地方競馬で行われるダートグレード競走にも出走するケースが多い。とはいえ、どのダートグレード競走もJRA所属馬の出走枠は4~6頭で、出走できるのは収得賞金順で上位の実績馬のみという状況。今回のアンタレスSは、“まずはオープン特別、GIIIで収得賞金を加算”という状況下にある素質馬に注目してみたい。


昨春の未勝利(福島・ダート1700m)圧勝から半年あまりの休養を挟んだのち、前走のアルデバランS(京都・ダート1800m)まで5連勝、いまだダートで負けなしのウォータクティクス(牡4・池江泰寿)が、いよいよ重賞のステージに上がる。5連勝はすべて秀でたスピードを武器にした逃げ切りだが、陣営は「控える形になっても対応できると思っているし、むしろ無理にセーブしなくていいので、走りやすい」とハイペース歓迎を示唆するほど。初重賞でも格負けすることはなさそうだ。


前走1600万下の甲南S(阪神・ダート1800m)を勝ってオープンクラス入りを果たしたフォーティファイド(牡4・石坂正)が、重賞初挑戦でタイトル奪取を狙う。母に帝王賞・東京大賞典など重賞9勝を挙げた名牝ファストフレンドを持つ良血馬で、早い段階から石坂正調教師が「ヴァーミリアンの後継者にしたい」と言っていたほど。強敵の揃った今回のレースで、どんな走りを見せるのか注目したい。


アドマイヤダンク(牡5・橋田満)は、年明けに復帰してから4戦3勝2着1回と、確実にステップアップしてきた馬。前走の桶狭間S(中京・ダート1700m)は楽勝だったとはいえ、道中は掛かりながらの追走。重賞の強力なメンバー相手でペースが速くなった方が、競馬はしやすいかもしれない。


実績馬も多士済々の顔触れとなっている。昨年のこのレースの覇者ワンダースピード(牡7・羽月友彦)は、前々走で同じ京都・ダート1800mの平安Sも快勝しており、この舞台を最も得意としている馬だろう。特に今年の平安Sでは上がり3ハロン35秒6(推定)という芝並みの末脚を駆使。上がりの速い決着に対応した点は大いに評価したい。


エスポワールシチー(牡4・安達昭夫)は、前走のマーチSで重賞初制覇。スピードに任せた押し切りではなく、2番手で折り合いをつけて直線で抜け出すというセンス溢れる内容は、今後に向けて大きな収穫と言えそうだ。かしわ記念(船橋・ダート1600m)に出走のプランもあるが、こちらに回れば当然、主力視される1頭に。


メイショウトウコン(牡7・武田博)は、昨年のジャパンカップダートで2着。輸送のない関西圏での競馬は、とにかく安定している。京都のダートは〔2・1・1・1〕と得意としているコース。自慢の末脚で重賞6勝目を狙う。


前走マーチS出走組が多数参戦を表明。2着のダイショウジェット(牡6・大根田裕之)はここにきて競馬に自在性が増し、一気に急上昇してきた馬。3着のサトノコクオー(牡5・藤沢和雄)は休み明け2戦こそ勝ち切れなかったが、ダートは〔4・2・2・0〕と3着を外しておらず、安定感十分。4着のトーセンアーチャー(牡5・大久保龍志)は前走後の気配が際立っているとあって、叩き3走目の良化に注目。なにより注目したいのは、2006年のジャパンカップダート優勝馬のアロンダイト(牡6・石坂正)で、本調子さえ取り戻せば、あっさりのシーンがあっていいほどの実力の持ち主。前走のマーチSでは7着に敗れたが、復帰3戦目でそろそろ真価を発揮しそうだ。