前走のレース別成績をチェックすると、前走アルゼンチン共和国杯組が3着以内馬15頭を送り出す好成績を収めていた。しかも同レース組は、近5年で毎年2頭以上の3着以内馬を送り出している。また、菊花賞、京都大賞典といった長距離重賞のほか、オープン特別組・1600万下組で3着以内に入った8頭のうち6頭が前走で3000mのレースに出走している。前走で2400m以上の長距離レースに出走していた馬は、注目に値するだろう。


近2走におけるGI・JpnI出走経験別成績を調べてみると、近2走でGI・JpnIの出走経験のあった馬で3着以内に入ったのはわずか4頭だけ。ただし、率の上では、“出走経験のあった馬”が、勝率・連対率において“出走経験の無かった馬”をリードしている。ここで注目したいのは、“出走経験のあった馬”で当レースで3着以内に入った4頭は、3頭が菊花賞、1頭が有馬記念と、いずれも2500m以上の長距離GI・JpnIに出走していたことだ。逆に近2走で出走したGI・JpnIが2500m未満のレースだった馬は、天皇賞(秋)の出走馬6頭をはじめ計10頭がすべて4着以下に敗れている。


4コーナーの位置別成績を見ると、4コーナーで4番手以内だった馬が8勝2着6回3着7回と断然の好成績で、すべてのカテゴリーで高い数字を残していた。10番手以下から連対したのは、4コーナー13番手から追い込んだ2004年2着のグラスポジションだけ。コースを2周するステイヤーズSでは、コーナーを8回通過することになる。そのため、逃げ・先行タイプの馬でも息が入りやすいのかもしれない。4コーナーを好位で通過した馬のアドバンテージは大きいようだ。


※フローテーション
父:スペシャルウィーク、母の父:リアルシャダイという、ステイヤー配合。前走の菊花賞では15番人気の低評価ながら、2着に食い込んだ。今春のスプリングSでも、勝ったスマイルジャックとタイム差なしの2着の実績があり、前走の好走は軽視禁物だろう。先週のジャパンカップでは、ダービー馬ディープスカイ、菊花賞馬オウケンブルースリが2、5着に好走と、ここにきて3歳勢の勢いが目につく。平地最長距離の重賞で、初タイトルを勝ち取りたいところだ。


※トウカイトリック
昨年は、3400mのダイヤモンドS勝ちに加えて、天皇賞(春)でも、勝ち馬からタイム差なしの3着に好走したステイヤー。今年も1月に3000mの万葉Sで勝利を収めている。440キロ前後の小柄な馬だけに、前走のアルゼンチン共和国杯(9着)は、58キロのハンデが応えたのかもしれない。今回は別定重量の57キロと、実績馬に有利な条件に変わる。中山コースは直線の急坂がカギになるが、このメンバーの中では、地力上位の存在。休み明けを叩いた上積みも、期待できるだろう。


※マキハタサイボーグ
昨年のステイヤーズSは、レース前半1800mが1分55秒0に対して、後半1800mが1分49秒9というタフな展開になったが、3コーナーからロングスパートを仕掛けると、直線入口で先頭に立ち、そのまま後続を封じ込めた。京都大賞典→アルゼンチン共和国杯という臨戦過程は、昨年と同じ。スタミナ勝負は望むところで、我慢比べの叩き合いになれば、2連覇も期待できそうだ。


※ナイアガラ
母のレーヴドスカーは仏G1サンタラリ賞の勝ち馬で、仏G1ヴェルメイユ賞でも2着した名牝。半妹に昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ2着のレーヴダムールがいる良血馬だ。2年以上の長期休養明けをひと叩きしたあと、1000万下・1600万下を2連勝。今回は昇級の形にはなるものの、3歳春に3連勝を達成したすみれS(阪神・芝2200m)で、後の天皇賞(春)優勝馬アドマイヤジュピタを3着に退けた実績がある。鞍上のO.ペリエ騎手が、2005・2006年のステイヤーズSを連覇しているというのも心強い材料だ。


※ビエンナーレ
410キロ前後の華奢な牝馬とはいえ、前走のエリザベス女王杯(14着)は関西への長距離輸送の影響もあってか、12キロ減の400キロと、馬体が細く映った。この中間は、立ち直りの気配が窺え、併せ馬で追えるくらい元気一杯だ。小柄なわりに中山の急坂や重めの馬場を苦にしないタイプで、前々走の札幌日経オープン(札幌・芝2600m)で先週のジャパンカップを勝ったスクリーンヒーローを寄せ付けない圧勝劇を演じている。馬体さえ回復していれば、一気の変わり身があっても驚けない。