お久しぶりです。初めて富山の冬を迎え、曇りが続く日に鬱鬱としています。採集にも中々行けないし…年末年始ほぼ毎日行っていたのだから我慢しろという話ですね(笑)

 

今日は成人の日に採集した二次鉱物を紹介します。中高は地元で無かったため地元の成人式には行かず、takeさんのご案内で栃木の二次鉱物の聖地SmallComingRiver Mineを訪ねました。takeさん詳しいご教示くださりまして誠にありがとうございました。

 

何やかんや行ったことの無い栃木の鉱山の一つがこの鉱山。藍銅鉱、ラング石、ポスンジャク石、フィリップスボーン石といった珍しい二次鉱物(藍銅鉱は人によっては珍しくないかもしれませんが…)が採集できる産地として石人の間では有名です。

しかし、特に藍銅鉱が採集できるポイントは「アズラの森」と呼ばれ、猫の額ほどの範囲で案内が無いと辿り着くことはほぼ困難。今回、takeさんに案内していただきました。1人で再訪してまた辿り着けるかは正直微妙…

 

途中沢沿いの二次鉱物を見つつ、上を目指します。途中からは道も無き斜面を登っていき現場に辿り着きます。雪が残った斜面は去年4月の甲武信を思い出します。

 

アズラ、アズラ…と探していると案外あっさり落ちていました。

Azurite

藍銅鉱

栃木県日光市SCR鉱山

 

幸先良いぞ、と斜面を見ていくと…

 

同前

 

おぉ~この瞬間がたまりません。小さな面積ですが一面にビッシリと付いた藍銅鉱。10年前はそれ程珍しいものでは無かったのかもしれません(某有名HPで出てくるアズラの採集報告年は2006年!!!)が先石人が何千人?と訪れた今ではなかなか無いみたいです。

その後も飯食わず探しましたが後にも先にもコレ一つだけでした…

単斜楔状結晶が集合し、ルーペで覗くと青いバラのようで美しい。

「二次鉱物読本」から産状に関し参照すると

「銅鉱物の分解によって生成された第2銅硫酸塩溶液あるいは塩化物溶液が石灰岩や脈石である炭酸塩に作用して生成される場合と、第2銅溶液に炭酸塩溶液が反応して生成される場合とがある。いずれにしても孔雀石が生成される場合よりも高いCu2+濃度で生成される」

実際、この鉱山では脈石鉱物として方解石(CaCO3)が観察されます。また、高いCu2+濃度下でないと生成されないのですね。

それは孔雀石、藍銅鉱両者の化学組成を比べてみると明らか。

孔雀石:Cu2[(OH)2|CO3]

藍銅鉱:Cu3[(OH)|CO3]2

 

少し勉強した気になりました。

次からは年末年始の採集品を。

 

参考

加藤昭 「二次鉱物読本」