今回は漁師町の銚子にあり、海中から出現した観音様をお祀りするお寺の飯沼観音・圓福寺(えんぷくじ)です
山号は飯沼山で宗派は真言宗、開基は空海と言われ、御本尊は十一面観世音菩薩です
圓福寺は一般に“飯沼観音”と呼ばれて親しまれる名刹で、その歴史は寺伝によると西暦728年、銚子の海が荒れて漁ができなかったある日に海上が光り輝いた夜、銚子の漁師・清六が夢で「光った場所で漁師の長蔵と漁をしなさい」とお告げがあり、翌朝に同じ夢を見た長蔵と2人でその場所で網を下ろしてみると、瑪瑙をはさんだ十一面観音が海中から出てきたとあり、これが御本尊の観音様と言われます
お寺を開基したのは弘仁年間の810〜824年の中で、この地を訪れた弘法大師空海が観音様に開眼供養(魂を入れる祈祷)を行った事からとされます
鎌倉時代にはこの地を治めた千葉氏の一族の海上氏が帰依しており、先の西暦1578年には荘厳な伽藍が建立されたそうです
また、1591年には徳川家康から朱印を賜って、お堂を整備しています
江戸時代には仁王門や鐘楼に多宝塔なども整備されて壮大なお寺となっていましたが、時代は下って昭和20年の1945年に戦争の空襲によって多くの建物が焼失してしまいました
近年では五重塔が2009年に建立されるなど、今も銚子の人々に崇敬される海のお寺として町を見守っています
⚫︎仁王門
それでは御朱印です
本堂前には醤油の町でも有名な銚子らしく、こちらに本社があるヤマサ醤油や、創業の地であるヒゲタ醤油が奉納をしているのが目を引きました
いつか銚子の醤油工場見学ツアーをしてみたいですね
◆圓福寺ホームページ◆