東関東自動車道で、リアにスポイラーがついた、二河が乗った白いトヨタカローラレビンの横を、黄色いポルシェ911カレラが時速160kmで、一瞬で追い越して行く。

 二河も猛然とスピードを上げたが、ポルシェに追いつくのは不可能だった。ポルシェは、すぐに視界から消える。

 約10分後、またポルシェを見かけた。一番左側の走行車線をゆっくり走っている。

 「故障かな」と、二河は独り言を言う。減速して、ポルシェの後ろにつけた。

 サングラスをかけた髪の長い女が車内のバックミラーで二河を見ている。スピードは非常に遅く、時速50kmぐらいである。時速160kmで走るのはもちろん危険だが、時速50kmで、高速を走るのも危険だ。