その日、★はイベント会場での仕事だった。


会場へ着く間、歩きながら電話をかけて来た。


そして、●とのメールの事を話し出した。


駅から会場まで15分くらい。

おいおい、そんな短時間で済む話じゃないだろう!!


しかも、仕事前で、精神的にダメージ受けたら仕事に支障が出るだろ!


歩きながら話して、内容をお客さんが聞いてたらどうすんのさ!


話しながら、私の方が気が気じゃなく、

帰ってから話そうと言っても、大丈夫だからと取り合ってくれない。


仕方ないから、話を聞く事にした。


☆「で、どういう事なわけ?」


★「ごめん。言い出せなくて・・・。」


☆「言い出せないって言ったって、いい年した大人がちゃんと別れもせずに

  他の人と付き合うのってどうよ?」


★「怖かったんだよ。前に別れを切り出したら包丁を持って来て

  自分の喉下にあてて、死んでやるー!って言われて。

  だから連絡しない様にして時間をあけようと思って。」


(んー。納得・・・。

電話で話しただけでも、かなりキツかったから、

実際に対面して話せばそうなるわな。)


★「だから、俺なりに別れる方法というか、模索していて・・・」


☆「それはわかるよ。電話で話しただけでもずいぶんすごかったから」


★「え?!電話したの?」


☆「そうだよ。メールにも書いたでしょ?読んでなかったの?」


★「あ、いや。読んだけど、じっくり読んでなかったから。

  じゃぁ、たぶんわかったと思うけど、精神的に少し弱い子なんだよ。

  だから、はっきり言えなくて・・・。」



いつもの★は言い訳大魔王と言うか、自分に都合の良い様に話をすりかえるのが

得意なんだけど、さすがに観念したのか、この日に限っては

素直に自分の非を認めていた。



☆「で、式の2ヶ月前に来てもまだ切れてないってどういう事?

  11月に電話かけたよね?」


★「それは本当にゴメン。でも俺から連絡していないし、

  11月に電話したのも●が学校で気になる男性がいるって 

  メールに書いてあったから、その男性と付き合う事を勧め様と思って。」


確かに、11月頃のメールにはそんな風な事が書いてあった。

でも、私から見たら★にヤキモチ焼かせたいが為に書いた事だと思っていた。



☆「で、結局どうしたいの?」


★「俺は☆と結婚したいから実家の事とか嫌だけど動いて来たし、

  ●とは別れるというか、もう気持ちも全くないから連絡していなかったから、

  ☆と結婚したい気持ちは変わらないよ。

  ☆こそどうしたいの?」


ちょうど、会場に着いたので、電話を切った。

その場で答えは出せなかった。