私はいま一人東京で生活している。
私以外の家族は、皆四国で暮らしている。私の実家。
父、母、姉、私、妹。ビンボーだが病気もせず元気だ。普段そのことが当たり前すぎて、有難みを感じずにいるが、長年家族が一人も洩れなく元気な姿でいられるということにもっと感謝しなければいけない。
そして丈夫な体に生み育ててくれた両親にも感謝したい。
今日は父の誕生日だ。
恥ずかしながら
普段あまり親孝行なことはしてあげられてないので、
何か喜ぶことを…
と思っていたが、結局何の用意もせぬまま今日になってしまった。
今更仕方ないので、今夜は電話でお祝いの言葉を言うだけにとどまり、また日を改めて何かしてあげたい。
父は、戦前生まれ。昔の人にしては背が高く、彫りが深くてなかなか男前だった。
今は鶏ガラのように痩せたおじいちゃんだ。
元々楽天家で単純で少し頼りない。
独裁的な母を筆頭とする女4人に囲まれて、男としての威厳も発揮せず、すべてにおいて母の許可なく行動することは許されない人生。何だか娘の私の目から見て、かわいそうにも思えるが、
本人はそれ程苦では無いらしい。何も考えなくて済むのでむしろ楽チンなのだろうか。
ふと
そんな父にとっての生き甲斐は何だろうと疑問がわいた。
退職してかなりたつ。趣味もなく遊びも知らない。お金も無い。体力はもう無いので好きだった野球もずっとしていない。
この前その質問をしてみた。
生き甲斐など考えたことはないらしい。シンプルな父。
いつも口数が少ない。
ちょっと考えた後、今一番楽しいと思う事を教えてくれた。
父「ワシ、新聞配達しとる時が今一番楽しい!」
私「毎朝早くて寒いから辛いやん?」
父「そりゃ毎朝寒いし辛いけど
誰も居ない早朝の空気は澄んでるし、朝日は登るし、何とも言えないくらい気持ちええぞ。
そんな中をバイクで配達するのが父さんは好きや!」
父は嬉しそうに語った。
私も何だか嬉しかった。
そんなシンプルな父が好きだ。
お父さん、これからも元気に長生きしてくださいね(^-^)