毎日帰宅すると深夜だ。

一昨日のことだ。

私はいつものように、深夜帰宅し暖房つけて部屋着に着替え、テレビ見ながら布団に入って携帯いじりをしていた。

いつもと変わりない寝る前の日課。

私は携帯画面に熱中していた。

一時間くらいして、
ガサッ

と部屋の中で物音がした。気にしなかったので携帯画面から目を離さずにいたら

今度はガサガサガサッと普通では有り得ない音がした。

さすがに尋常ではない音に反応して、その方向に目をやった。

恐怖で
心臓が止まりそうになった。

私の目の前を何かが横切った。


目の前に

茶色の毛の生えた大きな獣がいた。

私の部屋で

夜中の一時に

密室で……
!!


ギャ~~~~~~~~~~~~~~~~

私の大きな叫び声に驚いた獣は、
少しすき間の空いた押し入れにジャンプして入ってしまった。

一瞬だったけどわかった。獣の正体が。

汚い野良猫。赤褐色の。


な、何で?
私の部屋に野良猫が……!

この状況が気味悪くて、パニック状態になった。

人って
こういうとっさの状況で瞬時に対応出来ないものなのだと痛感した。
驚きすぎて冷静に考えられない。誰かに電話するか、怖いのでそのまま出て行くか。


考えているうちに
しばらく落ち着いて、とにかく自力で猫を追い出そうと決心した。(たかが野良猫に大袈裟笑)


押し入れの襖をガンガン叩いて

コラーっ
でてこ~い


勇気を出して襖を思い切って開けてみた。

猫と目があった瞬間、猫もビビったのだろう。

ピョンっ
と出てきてすぐに部屋から脱出しようとアタフタしている。

部屋のドアを開いてあげた。


猫は自分の侵入経路を辿って、風呂場の少し開いていた窓から逃げていった。

案外すんなりと終わった。


私の家の風呂場は換気扇がないので、いつも少しだけ窓を開けている。

やっぱりここか。

再び猫が入ってこないよう開ける幅をさらに小さくした。

一階なので、窓開けっ放しは普通に考えて不用心だ。だけど湿気でカビがはえるのもどうしても嫌だ。


けどどうせウチには盗るものもないし…いっか。


それにしても

侵入者が人間でなくて良かった。

外は雪が降って寒い。

猫にはかわいそうなことをしたかもしれない。

あ、
でも、ノミとかいそうだし、オシッコをされるのは勘弁だ。