賃上げのニュースを目にすることが多い昨今、上場企業の平均年間給与はどの程度なのか。帝国データバンクが調査結果を発表し、上場企業の2023年度平均給与は651万4000円で、過去20年の最高値となったことが分かった。
前年度の637万3000円から2.2%増となり、3年連続で前年から増加した。最も高い企業は、M&Aアドバイザリーや仲介業務を手がける「M&Aキャピタルパートナーズ」(2478万円、東証プライム)だった。
2022年度から2023年度にかけて、平均年間給与が増加した上場企業は68.7%と、2年連続で賃上げ企業が7割近くにのぼった。一方、増加率で最も回答が集まったのは「5%未満」(20.1%)だった。
上場市場別では東証プライム上場企業の平均年間給与が最も高く、735万7000円だった。以下は東証グロースが606万4000円、東証スタンダードが583万2000円で続いた。業種別では海運業の1008万円が最も高く、全業界のうち唯一1000万円を超えた。
帝国データバンクは「パート・アルバイトも含めた時給の引き上げに動く企業も出ており、待遇改善で人材確保を図る傾向が一層強まっている」とコメント。2024年度も引き続き上昇トレンドとなりそうだとしている。
有価証券報告書に「平均年間給与・従業員平均年齢・勤続年数」の記載がある全上場企業を対象に調査した。