いま、PCやゲーム機で遊べるポーカーが売れている。しかも報酬で射幸心をあおるギャンブルではなく、一人で黙々と遊ぶ“ひとりポーカー”だ。2月に発売されたとある“ひとりポーカー”は、「中毒になる」などとしてゲーム実況やSNSで話題に。3月19日には100万セールスを突破した。


●100万本売れたポーカーゲーム「Balatro」とは


 ゲームの名前は「Balatro」。カナダのゲーム開発者が作った作品で、提供は英国のゲームパブリッシャーPlaystackが手掛ける。提供プラットフォームはSteam(Windows/Mac OS)、Nintendo Switch、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X|Sで、価格は1700円前後だ。日本語にも対応しているが、Switch版は日本での提供を一時停止中。ゲーム媒体各社の報道によればレーティングが原因という。冒頭の「100万セールス」は各プラットフォーム累計の販売本数だ。


 さてこのBalatro、お察しの通りただのポーカーではなく、プレイヤーを“沼に落とす”アレンジが加えられている。簡単に言うと、役を作るとスコアとしてバカデカい数字が出るので気持ちよくなれるポーカーなのだ。


 詳しく説明する。Balatroは、賭けた金やポイントを巡り、ブラフやイカサマによる駆け引きを楽しむゲームではない(そもそも対戦相手がいない)。52枚のトランプ(デッキ)からランダムに選ばれた10枚弱の手札のうち、1~5枚を選んで場に出し、「ワンペア」「ツーペア」などの役を作ることで得られるスコアを最大化するゲームだ。


 スコアは「役ごとに設定されている初期値+カードに書かれている数字の和」×「役ごとに設定されている倍率」で算出する。例えばハートの5とスペードの5でワンペアを作った場合、初期値(10)とカードにある数字の和は20。倍率は2倍で、40点のスコアが得られる。もちろんフルハウスやフォーカードなど、より良い役は倍率なども高い。


 ゲームではステージごとにスコアのノルマが課されており、3~5回程度のスコア算出でノルマの達成を求められる。例えば第1ステージでは300点を出さねばならない。手札は最大5枚まで引き直しができるが、1ステージにつき4~5回程度までと回数制限がある。