雪像や氷の彫刻といえば冬ならではのアートだが、ベラルーシのアーティストが作ったのは人が乗れるサイズの氷の船。しかもこの船、見ために美しいだけでなく着水させて乗ることができる。月半ば、氷や雪の彫刻家イヴァン・カルピツキーさんが巨大な氷のブロックから作った氷の船をSNSでお披露目し、実際に乗ってるところもシェア。その光景はまるでファンタジー作品のワンシーン。おとぎ話みたいな氷の船に魅せられたユーザーからの注文が殺到してるという

 

驚きの彫刻を披露したのは、ベラルーシのミンスクを拠点とするアーティストであるイヴァン・カルピツキーさんは、この氷の船ミンスク北部の湖付近で制作して、撮影したようだ。公開された氷の船は見るからに完成度が高いものだが、なんと実際に水に浮かべて乗ることもできるいうから驚きだ。大人がふたり乗れるほどの大きさで、氷でできた舵や水車みたいなホイールも備えている。なおこの形式の船は浅い河川などで利用される外輪船と呼ばれるようだ。

 

 

彼は自身のインスタグラムでも、巨大な氷のブロックから、色々な工具でパーツを切り出し組み立てるところを公開している。削り出しなどの作業にはのみなどを使い、接着には水を使って精巧な氷の船を完成させた。とはいえ材料が氷なため、出来上がりには限界もあった。例えば舵は回せるが、方向制御はできないなど、実際の船と同等の機能までは備えていない。ホイールも同様で、岸から引いた電気で回転させることはできても、推進力にはならないようだ。

 

それでも水に浮かべた船にイヴァンさんが乗るシーンはとてもファンタジー。ライトを積んだ半透明な船体が、天然のランプシェードのようにほんのりと光りながらあたりを照らしたり、揺れながら進む光景にもうっとりだ。ベラルーシで氷と雪の彫刻家として名を馳せるイヴァンさんだが、独学で技術を身につけたそう。イヴァンさんは2020年にベラルーシの新聞に「氷で作ったバイオリン」が載ったことからSNSを通じて大人気の彫刻家となり、今では作品作りに追われている。

 

いずれまた水へと戻る氷の船ではあるが、その貴重さとはかなさががむしろ魅力となり、イヴァンさんのもとにはさっそくカスタムメイドの氷の船の注文が殺到している。しかしながら、当のイヴァンさんは今のところこれらの注文を受ける気はないのだという。当然のことながら、気温も場所も選ぶ氷のアートなだけにそう簡単に制作できるものではないことは容易に想像できるイヴァンさんのその他の作品に興味がある人は、彼のインスタグラム公式をチェックしてみてほしい

 

【参照:BIGLOBEニュース】