冨田真由さん

 

岩崎友宏(27は京都府京都市右京区に在住する会社員で、東京都内の私立大学生で、女優やシンガーソングライターとして活動していた冨田真由さん(20)のファンを自称していた。2016月中旬から岩崎は『君を嫌いな奴はクズだよ』と名づけたTwitterアカウントで真由さんと接触を試みるようになった。当初は真由さんに対し、好意的な書き込みが目立っていたが、真由さんから返信がないことなどから、不満や嫉妬を抱き不穏な書き込みをするようになった。

 

「そのうち死ぬから安心して」などといった攻撃的な書き込みを向けたり、一方的に贈り付けたプレゼントを返却するよう真由さんや、その関係者に度々要求した。真由さんが岩崎の要求にしたがって、プレゼントとして贈られてきた腕時計を返送すると、なぜか岩崎は激怒している。後に警察の取り調べに対して、岩崎は「プレゼントを返送されて殺害を計画した」と供述している。事実、真由さんにプレゼント腕時計を返却された後は、さらに悪意に満ちた書き込みが過激化している。

 

こうした状況に危機感を覚えた真由さんは警視庁武蔵野警察署に岩崎の書き込みついて相談している。しかしながら、対応にあたった同署員からは真由さんに恐怖心を抱いているように見えなかったことから、一般相談として処理し、ストーカー事案などを扱う専門部署に連絡することはなかった。そして、娘を心配する真由さんの母親岩崎が住む右京区を管轄する京都府警察にも相談していたが、これに対しても京都府警は警視庁に相談するように伝えるにとどまっていた  

 

21事件当日岩崎は自身のブログに「行ってきます」と残し、自宅のある京都から東京都小金井市のライブ会場に出かけ。そしてライブ会場の最寄り駅であるJR・武蔵小金井駅で、真由さんが現れるまで長い時間待ち伏せた。真由さんが駅に着くと、岩崎は声をかけるも無視された。岩崎は一定の距離を置いて彼女のあとをつけていった。ライブ会場に入る直前、岩崎は真由さんに接触してきたことから、真由さん岩崎に会場内に立ち入らないよう諭した。

 

そして、110番通報のため電話を架け始めた真由さんに岩崎は激高し、隠し持っていた折りたたみナイフを取り出して真由さんの顔や首腕など計34か所をメッタ刺しにする凶行及んだ。血まみれになっ真由さんを見て、岩崎は「かわいそう」と思ったう。岩崎は自ら119番通報し救急車を呼び、到着を待つ間、血の海に倒れている真由さん生きたいの? 生きたくないの?理解不能な言葉をかけていた。駆けつけた救急隊員に「早く助けてあげて」と話している

 

この事件が発生してから145秒後に、偶然現場に居合わせた目撃者から110番通報があり、警察が犯行現場に駆けつけ、その場にいた岩崎は傷害容疑で現行犯逮捕された岩崎警察の取り調べに対し、犯行の動機を真由さんからのプレゼント返却されたことTwitterのブロックを動機に挙げ、真由さんと結婚したかった」と述べているまた、岩崎が「殺すつもりでやった」と供述したことから、警察は殺人未遂と銃刀法違反容疑に切り替えて、検察に送検した。

 

警視庁より送検を受けた東京地検は岩崎言動が余りにも異常で理解し難いものであったことから、精神鑑定を行うことに決した。そのため東京地検は、3か間の鑑定留置することを東京地裁立川支部に請求し、認められている。精神鑑定の結果、岩崎の刑事責任能力に問題はないと判断されたことから、殺人未遂と銃刀法違反容疑起訴された201720東京地裁において初公判が開かれることが決められた。初公判で、岩崎は起訴された事実を認めている。

 

岩崎友宏

 

岩崎は群馬県伊勢崎市出身だった。小学校の時から柔道を始め、卒業文集に「将来の夢はオリンピック選手なること」と書いていた。伊勢崎市立第二中学校時代(2003年)には、群馬県中学体育柔道90kg級でになる成績を収めている。高校はスポーツ推薦で進学した。柔道で華々しく活躍するその一方で人間関係がうまくいっておらず、中学生時代の同級生は岩崎を「普段から口数が少なくて、友達も少なかった。部活の後もひとりで帰っていたと証言している。

 

岩崎は過去にも「小金井ストーカー殺人未遂事件」似たような問題を起こしている。2013年には芸能活動を行う10代女性のブログに対し、「殺す」などの脅迫的な書き込みを残したとして警視庁から呼び出されている。岩崎は呼び出しに応じなかったものの女性のブログへの書き込みが止んだことから、警視庁は事件化を見送っている。さらに、201512月、滋賀県に住む別の女性も、岩崎との対人関係について滋賀県警に相談しているが、大事には至っていなかった。

 

冨田真由さんは長野県千曲市出身。事件当時は亜細亜大学年生で、大学に通いながらシンガーソングライターとして芸能活動に励んでいた。過去には期間限定のアイドルユニット「シークレットガールズ」のメンバーとして活動していた。ほかにも「仮面ライダーフォーゼ」のほか、多くの舞台に出演している。冨田さんは自身のブログに、ライブの様子や大学生活について書き込んでいた。事件の約時間半前にも「(来場を)お待ちしております!」とライブの出演情報を掲載していた。

201720東京地裁所立川支部においてこの事件の初公判裁判員裁判行われた。岩崎は起訴事実を認めた。検察側は岩崎被告について「被害者に相手にされない場合は被害者を殺そうと考え、ナイフを購入した」と指摘した。一方弁護側は冒頭陳述で、被告が自ら119番通報し、救急隊に「彼女(被害者)を早く助けてあげてよ」と話していたことなどを挙げ、「被告が被害者に話しかけたが無視され、衝動的に刺してしまった」と述べ計画性を否定した。

 

 

この公判において、検察官が真由さんが負った傷についてモニターで説明中、余りの凄惨さにひとりの男性裁判員が倒れてしまうハプニングが起き、別の裁判員が補充された。そして、岩崎は検察官により真由さんの供述調書が読み上げられる際、「被告人が結婚してくださいと言ってきました」という行が読まれると、岩崎は「フフフッ」と声を出して笑った。それ以降も、岩崎は終始ニヤニヤと薄ら笑いを浮かべており、ブツブツと独り言を発し、余りの気味の悪さに顔をしかめる裁判員もいた。

 

21日第2回公判では、この事件の目撃者らが証人として出廷した。そのうちのひとりの証人は「犯人は(被害者の)首回りを狙って、考えながら刺しているようにしか見えなかった。やみではなく、考えながら刺していた」と語り、また別の証人は「常軌を逸しているようで、野生の動物が獲物を仕留めているようだった」と証言した。また、この証人と一緒に事件現場を目撃した女性の知人が余りに壮絶な光景を忘れることができず、ショックにより自殺を図ろうとしたことを明かしている。

 

この日の午後から、真由さんの母親も出廷し、彼女は後遺症に苦しみ、時折叫んだりることや、リハビリに励んでいるが、傷やマヒの残る口元を見る度に「こんな気持ち悪い顔になっちゃって。リハビリをやっても、治る気がしない」と悲しみに暮れていると明かした。さらに母親は「娘は生き残ったが、死んでもおかしくなかった。私は殺人事件と考えている」と述べた。事実、裂傷が数ミリずれて、太い血管を傷つけていたら、救急搬送が少しでも遅れたら、出血多量で亡くなっていた。

 

22日の第回公判では被告人質問が行われ被告人質問あり岩崎は犯行について「贈った本と腕時計を返送した理由を聞こうと思ったが、無視され絶望を感じて刺した」と述べ、事件前の心情について「Twitterで、僕だけ返信がなかった」「プレゼントを送り返され、怒りが湧いた」と話し、ナイフを持っていた理由は「精神的な心の支えにするためだった」と計画性を否定する主張をしたが、裁判長はこれについて合理的な説明がないと一蹴し、判決で一定の計画性があったと認めた。

 

検察側による被告人質問では、真由さんへの謝罪の言葉を口にする一方、検察官の質問を鼻で笑うなど挑発的な態度を取った。捜査段階で録音・録画された「殺すつもりだった」「首は急所だから刺した」「真由さんに被害者顔されたくはない」という発言の真意を尋ねられると「言った覚えはない」と主張し、殺意や計画性を否定した。真由さんの弁護人から「捜査官から『謝罪する気はないが、パフォーマンスとしては謝る』と話していると聞い」と指摘されると「違う!」と声を荒らげた。

 

23の第4回公判で真由さんが意見陳述を行い、「悔しくてたまらない。(岩崎は)反省していないと思う。傷のない元の体を返してほしい。犯人が夢に出てきて、私を殺そうとするので、眠ることもできません」などと語った後、「野放しにしてはいけない」と述べると、岩崎が「じゃあ殺せよ!」と叫び、法廷はざわついたが、真由さんが怯まず、「絶対に許してはいけない! 一方的に恋愛感情を抱き、思い通りにならなければ殺そうとする。今度こそ私を殺しに来るかもしれない」と話した。

 

被告から見えないよう衝立の奥に座った真由さんが「今度こそ私を殺しに来る」と話すと、岩崎が「殺すわけがないだろう!」と連呼し、裁判長は直ちに退廷を命じた岩崎は刑務官に引きずられながら「殺すわけがないだろう! 殺すわけがない!!」と絶叫した。その後、検察側は「常軌を逸した自己中心的な犯行」「類例を見ない悪質性、反社会性があり、謝罪がパフォーマンスだったことは法廷での言動で証明された」などとして岩崎に懲役17年を求刑し、裁判は結審した。

 

28日、判決公判において、岩崎被告は懲役14か月の判決が言い渡された。この判決に、量刑不服として、3日までに東京高裁に控訴したが、29日に理由は不明ながら、翻意して控訴を取り下げ、懲役14か月刑が確定した。総評として、岩崎が裁判中に真由さんに謝罪の発言をしたことに対しては、真由さんを含めて、検察官や裁判員らは一様に、実際は反省していないとコメントした。反省どころか自身の犯行に満足しているようにすら感じられたと述べた

 

この事件は他のストーカー事件と同様に警察の不手際が指摘された。例えば、真由さんに相談を受けたにも関わらずストーカー事案を取り扱う専門部署に報告しなかったことや、岩崎が他の女性に対し、行った行為を警察情報共有を欠したこと、真由さんの相談後、岩崎がトラブルを起こす可能性を考慮し、彼女の携帯電話を110登録システムに登録したが、自宅を登録していたため、本人による110番通報位置情報確認を怠り自宅に警察官を派遣したことなどだ。

 

この「小金井ストーカー殺人未遂事件」と直接関係がある情報ではないと私は思っているが、ネット上の情報では岩崎在日韓国人3あるという。岩崎というのは彼の母親方の姓であり、本名金友宏」らしい。そして家族構成については、姉や兄がいるとの情報から5人家族であることが推測される。そして、南朝鮮人の血を引く父親は都内で企業会計の仕事をしている在日と思われる。岩崎は実家が創価学会であることも、自身のブログ内でアップしていた過去がある。