飼い主に捨てられたとされる犬が、線路の上で1週間も留まっている姿が人々の目を止めた。犬は、置き去りにされた場所から動こうとせず、ひたすら飼い主が再び現れるのを待ち続けていたようだ。犬の健康と安全が心配になった目撃者は、動物救済団体ボランティアに連絡し、施設スタッフは、犬を保護することに成功した。

 

5月19日、米国のカリフォルニア州ロサンゼルス郡で動物の救済と保護に取り組むスゼット・ホールさんは、同郡サウスゲイトの線路上に犬がいるという連絡を受けて、すぐに現場へと駆け付けた。犬は、1週間ほど前に飼い主の乗った車から線路脇に捨てられたという。それでも犬は飼い主を信じ、ひたすら待ち続けていたようだ。

 

飼い主が再び自分を迎えに来てくれると思っているのか、捨てられた場所から動こうとしなかった。しかし、線路上に居座り続けることは危険だ。いつ電車にはねられるかわからない。ホールさんは急いで犬の保護を試みることした。ホールさんは鶏肉とハンバーガーを用意し、ケージの中に入れて安全に保護できるまで待ちことにした。

 

その間、ホールさんは犬を怖がらせないよう、近くに隠れて様子を見ていた。通常こういった状況に置かれた犬は警戒してなかなかケージに入ってくれない。保護するまで時間がかかる。ところが、ケージを置いて数分後に犬は中へと入った。とてもお腹がすいていたのだ。犬の保護に成功したホールさんは犬を獣医院へ連れて行った。

 

1週間、何も口にしていなかった犬の体は、ひどく衰弱していて、体にも深い傷が多数あった。獣医院のスタッフは犬に治療を施し、薬用風呂に入れ、たっぷりの餌を与えてケアを施した。ホールさんに「ソルジャー(兵士)」と名付けられた犬は、永遠の家が決まるまでは、治療もかねて、病院スタッフのもとで世話を受けることになった。

 

 

ホールさんは、Facebookでソルジャーの写真と養子縁組の準備ができていることをシェアした。その中で、ホールさんは「今、ソルジャーは自信を取り戻そうとしているところです。毎日、ソルジャーは尻尾を振って愛情を示してくれています」と綴って、日に日に元気になっているソルジャーがこの先幸せになってくれることを切に願っている。

 

【参照:exciteニュース】