髪型をキープするためのヘアスプレーがなくなったので、代わりにスプレータイプの接着剤を使ったら大変なことにてしまった米ルイジアナ州に在住する女性がSNS上で拡散し、話題を呼んでいる。テシカ・ブラウンさんは今月、動画アプリ「TikTok」への投稿で、いつものヘアスプレーの代わりに強力接着剤の「ゴリラ・グルー」を使ってしまったと打ち明けた。ブラウンさんは動画の中で、それから1カ月過ぎても髪は固定されたままだと話し、「15回も髪を洗ったのに」と訴えた。

 

ブラウンさんは今にも泣きそうになりながら「本当にひどい、ひどい、ひどい思い付き」だったと語り、「好きでこうしているわけじゃない」と訴えた。彼女は固まった髪をほぐそうと、ローションやシャンプー、ココナツオイルなどさまざまな製品を試したが、どれもうまくいかなかったと明かした。ブラウンさんの訴えは拡散されて、インターネットユーザーから数多くの解決法が寄せられた。ついには、米歌手ビヨンセさんのヘアスタイリストのニール・ファリナーさんからもアドバイスが寄せられた。

 

「ゴリラ・グルー」を製造・販売する会社の公式ウェブサイトによると、ゴリラ・グルーはアセトンとプロパンを成分としており、耐水性にすぐれ、バスルームのタイルやフローリング、デッキなどの接着に適しており、除去するには有機溶剤のアセトンやイソプロピルアルコールを使うとしている。同社はブラウンさんが困っていると聞き、ツイッター上でメッセージを送った。「石けんを溶かした湯に髪を浸したり、消毒用アルコールを塗ったりする方法を試してみたらどうでしょう」と提案した。

 

ブラウンさんは5日、地元ルイジアナ州の病院を訪れたが、問題は解決しなかった。ブラウンさんは治療を受けるために、クラウドファンディングのプラットフォーム「ゴー・ファンド・ミー」で資金集めを開始した。9日までに1万5000ドル以上を集めた。米エンタメ情報サイトTMZによると、ブラウンさんはようやくポニーテール部分を切り落とすことができたが、頭皮は固まったままだった。そこで、ロサンゼルスの形成外科医のマイケル・オベン氏が、ブラウンさんに支援を申し出た。

 

今月10日、ルイジアナ州からカリフォルニア州に飛び、オベン医師の許で髪をほぐす施術を受けた。オベン医師によって行われた施術では、テシカさんに軽く麻酔がかけられ、カチカチに固まった髪をほぐすのに約4時間が費やされた。オベン医師は「施術前にはまず、ゴリラ・グルー社にも電話して成分教えてもらった。髪をほぐすには、主成分であるポリウレタンをいかに分解するかが鍵だった」と述べたうえで、「強力接着剤を髪に塗るなんて、危険なことだよ」と警告した。

 

施術後、真っ先に髪に触れたテシカさんは「手櫛(てぐし)が通るわ! やっと終わったわ、終わったのよ」と涙を流し、「一生かつらを使わなくてはいけないかと思ったけど、必要なくなったのよ。これからまた髪を伸ばしてポニーテールにするわ」と喜びを爆発させた。テシカさんのSNSは今のところ更新されておらず、その後テシカさんの頭がどうなったのかは分かっていないが、今回の事件でテシカさんには「ゴリラ・グルー・ガール」という不名誉なあだ名がついてしまったようだ。

 

【参照:Rakuten infoseek他】