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「あの0系どこから?」車両基地屋外に“鼻ナシ”で突如現れた初代新幹線 JR西に聞いた

当務駅長
2021/09/05 20:23

「あの0系どこから?」車両基地屋外に“鼻ナシ”で突如現れた初代新幹線 JR西に聞いた

乗りものニュース
2021/09/05 17:40

博多総合車両所に停まる前頭オオイを外した状態の初代新幹線0系電車(2021年8月、入角卓男撮影)

丸みを帯びた流線型の先頭が印象的だった、東海道・山陽新幹線の0系電車。引退してから15年近く経つ同車の先頭車両がノーズカバーを外した状態で福岡の車両基地に姿を見せました。一体どこから来た車両なのか担当部署に話を聞きました。

連結器カバーのない新幹線0系の出現

 2021年夏、1両の新幹線がSNS上で話題になりました。それが福岡県那珂川市にあるJR西日本博多総合車両所に突如現れた初代の新幹線車両0系です。

 博多総合車両所はJR西日本が保有する山陽新幹線のほぼ全ての車両が配置されている一大新幹線基地で、現役運用される500系、700系、N700系、N700S系のほか、「ドクターイエロー」の愛称で知られる923形軌道試験車までタイミングが合えば停まっている姿を見ることが可能です。

 ある意味、新幹線の“聖地”といえるような博多総合車両所の公道に面した外側の留置線、フェンス越しで見える場所に「前頭オオイ」と呼ばれるノーズ先端の連結器カバーを外した0系の先頭車が、姿を現しました。

 このような光景に、SNS上では「博多に0系残っているんだ」や、「0系生きとったんか」「まだ解体されずに残っている0系がいたのか」といった声が上がっていました。

 0系電車は、新幹線の元祖といえる記念すべき車両のため、さいたま市の鉄道博物館や、名古屋市のリニア・鉄道館、イギリスの国立鉄道博物館などを始めとして20両ほどが保存・展示されています。そのためか、博多総合車両所の屋外に停められた0系はいったいどこから来たのかと、推察するかのような意見も見受けられました。

 そこで、この突如現れた新幹線0系の出自についてJR西日本に聞いてみました。

新幹線0系の後ろにあった超レア車

 JR西日本の新幹線鉄道事業本部の広報担当者によると、博多総合車両所の屋外に姿を見せた初代新幹線0系、これは保存用として本車両所に以前からある車体とのことでした。

 博多総合車両所には0系だけでなく、100系や300系といった運用を終えた新幹線車両なども一部保存されており、イベントなどの一般公開日には見学者に対して披露されているそう。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020年以降は見学を休止しているものの、それ以前に実施した「新幹線ふれあいデー」を含む施設の一般公開では、今回話題となっている0系含め、保存車両を見ることができました。今回は普段置いてある場所から移動させる必要があったため、施設の外側から見える場所に停めたということでした。

 また、一時的に動かすために、普段は付いている「前頭オオイ」を外していたとのこと。ノーズの連結器カバーがなかったことが、保存車両と違うものに見えたひとつの要因だったのかもしれません。

 なお、今回話題となった0系電車の後ろには、JR西日本が1990年代前半に開発した「WIN350」の姿もありました。これは新幹線500系の原型となった試験用車両で、最高速度350km/hでの走行を実証するために製作されたものです。

「WIN350」は6両1編成が造られ、1両目と6両目が2021年現在も保存されています。片方は米原にある鉄道総合研究所風洞技術センターに、そしてもう一方が博多総合車両所にあり、こちらも前出の0系と同じく、施設の一般公開時には見ることができました。