衆院選削減案に猛反発② | ズル木のブログ

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公明など中小政党

違憲解消は重要
比例を棚上げも


「定数削減の一点張りで風穴をあけたい」。民主党の樽床伸二幹事長代行は18日、改革案を決めた政治改革推進本部総会で力を込めた。出席者から賛成の声が相次ぐと、樽床氏は 「心強い。涙が出る」 と歓迎。2009年衆院選のマニフェスト(政権公約)で掲げた比例代表定数80削減に意欲を示し、政権への逆風に歯止めをかけたい思いをにじませた。


若手議員が開いた会合でも 「定数を削減できなければ次の衆院選は全滅だ」 「野党と決裂してでも選挙を戦う段階だ」 と執行部を突き上げる声が続出した。


だが中小政党は激しく反発。共産党の穀田恵二氏は与野党国対委員長会談で 「民主主義を踏みにじる暴挙。民主案は撤回すべきだ」 と追及。会談後、公明党の漆原良夫氏も 「民主党は今後も協議しようと言うが、アリバイづくりだ。衣の下のよろいがむき出しだ」 と警戒感をあらわにした。


一方、09年衆院選の1票の格差を 「違憲状態」 とした昨年3月の最高裁判決は与野党それぞれの利害を超越し、重くのしかかる。違憲状態を解消するために衆院選挙区画定審議会が区割り改定案を首相に勧告する期限はことし2月25日に迫る。このため与野党9党は昨年10月から選挙制度改革協議会での議論を重ねてきた。


だが民主、自民両党 は二大政党に有利な現行制度維持を譲らず、公明党などは選挙制度の抜本改革を主張。議論は平行線をたどった。今回、民主党は増税への環境整備に加え 「違憲状態を解消するのは政権正当の責任だ」 (幹部)と筋論を前面に打ち出し、局面打開を図った格好だ。


「野党共闘が必要だ。比例定数削減に乗ってはいけない」。18日の野党国対委員長会談で新党改革の荒井広幸氏は自民党の岸田文雄氏に念を押した。自民党は10年の参院選マニフェストで議員定数の大幅削減を主張。だが幹部は 「0増5減の自民案を取り込んでも駄目だ」 と協力に否定的だ。


こうした状況に自民党の大島理森(おおしま ただもり)副総裁は18日朝の公明党幹部との会談で、自公選挙協力をにらみ 「民主党に比例定数削減をあきらめさせて、0増5減だけにするのが落としどころだ」 と強調。別の野党幹部も 「0増5減だけ通して選挙だな」 と漏らした。

岩手日報
2012年1月19日付

総合 3面