再発してから始めたことの1つに登山があります。
 
私はこの登山を、抗がん剤や温熱療法、食事療法と同等の「治療」ととらえて毎週行っています。とはいえ今はまだ高尾山をはじめとする日帰り低山なのですが。
 

 
私は腰椎胸椎多発転移による圧迫骨折のため、立位歩行が困難になりオペでボルト固定しました。約3か月ほどの寝たきり生活がたたり、体幹の筋力が激減、退院後もガチガチのコルセットをしないと自立歩行ができない状況でした。
 
しかも動くとすぐに咳と痰で苦しくなり呼吸困難に。肺転移の影響も勿論ありましたが、何か月も身体を動かすことができなかったため廃用症候群(使わないことによる機能低下)により心肺機能そのものが低下してしまったことも原因でした。
 
退院後、自宅に戻ってから酸素測定器をつけながらの30分歩行からスタート。徐々に歩行時間も伸ばせるようになり、咳き込むことも少なくなり、歩行だけでは物足りなくなるものの、かといって走ることはできない。。更にレベルを上げるトレーニング法を探していました。
 
私は大学時代、スポーツ医学を専攻していて、トレーニング法に関しては知識はあるにも拘らず、ジムでトレーニングしていてもなかなかうまくいかず、つけたいところに筋力をつけることができずにいました。室内で動いていても面白くないし。。。
 
そこで
・体幹へ適度に負荷をかけられる
・走ることができないので歩いて脈を上げられる
・飽きずに続けられる
 
この3点を満たすトレーニング法として登山が思いつきました。
 
登山ではリュックを背負いますよね。適度に荷物の入ったリュックを背負うと背部に重みがかかるので、正しい直立姿勢を保ちやすくなりました。(何もないと猫背気味になってしまっていた為)そんななか長時間歩くことにより、なかなか使えていなかった背筋(脊柱起立筋群)や腹筋(とくに下腹部)を効率よく鍛えることが可能に。足場が悪いところも多いのでバランスをとるためにインナーマッスルも鍛えられます。
 
そして坂道だらけなので歩いていても十二分に息があがる。(はじめはちょっと歩いてゲホゲホの繰り返し)
 
そしてそして、自然を感じ季節を感じ、なにより楽しい!
 
週1回の登山を繰り返していくうちに、全身の筋力はつき、心肺機能が高まり咳き込むこともなくなりました。今ではガチガチコルセットは部屋のオブジェと化しています笑
 

 
 
山に通うようになって新たに気づいたことがあります。
それは自然の偉大なパワーで自身の生命エネルギーがチャージできるということ。
 
3か月間、病院と自宅だけの生活で、自分の生きる力、エネルギーが枯渇しているのを感じていました。このままではいくら治療をしても自分の治癒力が低い状況で効果を引き出せないのではないか。それくらい身も心もエンプティ状態でした。
 
山に通うようになって、何百年も生き続けている大木やきれいな水の流れを見ていると、人間なんてちっぽけで、自然のなかで生かしていただいてるんだなーと。治療にも生きることにも前向きになれるパワーをもらえた気がします。
 

 

 
今日は茨城県筑波山へ。
今回も沢山の生きる力を山から貰えました。



にほんブログ村