本を読んで | うお座王の日日喋喋

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いやしくも
わが身の上に起こる事柄はそのすべてが
この私にとって
絶対必然であると共に
またこの私にとっては最善

~森 信三~

本日の読書感想文




終わった人

内館牧子

思った以上に没入して読了した。


帯に

"あなたのこと"が書かれています。

自分が、夫がモデルでは、という反響やまず。

とあるが

うちもかな…な~んて思ったよ。





あらすじ 


東大法学部卒、大手銀行に就職するも

出世コースからはみ出され子会社に出向

そのまま定年を迎えた田代壮介。


仕事一筋だった壮介は

これから先の生きがいと居場所を求め

もがき奮闘する。


定年を迎えると「終わった人」なのか…。




物語は第一章から第十二章までと

エピローグで綴られているが

うお座王が章題をつけるとしたら…

起「終わった人」

承「成仏できない人」

転「散り際千金の人」

結「明日がある人」



グッときたポイント 


壮介の旧友がもらす言葉


「完全な肉体の所有者でも

死んで埋められてしまえば一切平等

唯ホンノ一寸の間

悠久な宇宙に対比しての

不自由や苦痛に過ぎぬ」


~下山逸蒼しもやまいつそう  明治生まれの俳人~




こんな人におすすめ 


定年なんてまだまだ先の事と思ってる方、

定年を迎えようとする方、

定年を迎えた方におすすめしたい📖


田代壮介と千草夫婦に

きっとどこか共感するとこがあると思う。