全日本ロードレース第3戦の舞台はSUGO。

愛知県から約8時間で大分のオートポリスに次いで2番目に遠いサーキットです。

1週間前の事前テストではドライ・ウェット両方のコンディションを走り、ウェットでのタイムがとても良かったのでレースウィークも雨を期待していましたが3日間とも絶好のレース日和の天気予報。



それでも結果を出すためにまずウェットコンディションでの感覚とドライコンディションの感覚では何が違うのかを考えながら金曜のフリー走行は走ることにします。

走行を重ねていくうちに気づいたことはウェットコンディションではタイヤが滑るか滑らないかのギリギリで走っていますがドライコンディションになるとタイヤのギリギリを使う前にバイクの挙動が乱れたり跳ねたりしてバイクの限界が先に現れてしまうことが分かりました。


金曜のフリー走行2本目には良いセッティング案を教えていただき、今までよりかなり良い感覚で走れてきたので土曜の予選はもう少し自分なりにセッティングを微調整して挑むことに。






土曜の予選。

昨日と同じように晴天ですがとにかく風が強い!

外に掲示してあるボードなどが倒れたり飛ばされるくらい強い風の中予選が始まります。


いきなり予選開始と同時に問題がふたつ発生します。

まずひとつは風向きや風の強さによって毎回コーナーへの進入スピードが変わってしまうこと。これを速いライダーはしっかりとアジャストしていきますが僕の場合は微妙な誤差が生まれて失速気味になったりオーバースピードでコーナーをはらむようなラインになってしまいます。




ふたつめは予選に向けて微調整をしたセッティングが過剰なものになり全くタイヤの接地感がなくなってしまいました。また強風も重なりSPイン〜SPアウトでは膝をするほどバイクを倒す前からリアタイヤが滑り出しハイサイドを起こすような状態に。

これではスピードを上げることができずにタイムも落としてしまいます。この症状を最後まで改善できずに自己ベストから約1秒もタイムを落として予選は20位。



日曜の決勝レースは金曜のセッティングに戻します。

それに加えてセッティング頼りではなくバイクの不安定な挙動が出るのは自分の操作が原因であるという考え方をすることで、バイクの不安定感をセッティングで改善しようとして迷子になる前に自分の操作でバイクを安定させる事が出来るということも理解して決勝レースを走ります。


土曜日のピットウォークに参加した後にセッティングを戻したりエンジンオイル交換や交換が必要な部品をメンテナンス。決勝レースを集中して走りきるための整備をします。







迎えた決勝レース当日。

この日(5月26日)は自身の誕生日でもありとても特別な日です。

良い結果で終わるために朝のウォームアップ走行からバイクを安定させる操作に意識を向けていきます。





そして決勝レース。グリッド上でエンジンを始動してからウォームアップラップを1周しますがその時にエンジンの回転数が落ちてしまい、そこから回転数が上がらない症状が一瞬起こりました。電気系のトラブルかと思いましたが極端にエンジンの回転数が落ちた事が原因でそこからはしっかりと加速していったため問題はなさそうです。


コースを1周してグリッドへ着きレーススタート!!

先程はエンジンの回転数を落としすぎたので同じミスをしないように気を配りすぎ次はクラッチの繋ぎが遅くなりバイクが前へ進まない最悪なスタート。

ここで1台に抜かれて1コーナーへ。少し焦りますがもてぎ大会では1周目に大きな転倒があったので混乱に巻き込まれないように落ち着いて1周目を終えます。

予選のバイクの不安定感も無くなり2周目に入るホームストレートで1台、バックストレートで1台をパスして順位をあげます。




ここから少し前とは差が開いて単独走行になるも毎周各コーナーでどうすればバイクの挙動を安定させられるかを考えながらタイヤを温存することは考えず常に全開アタックラップの気持ちで走行を続けました。

すると金曜のフリー走行で0.5秒ほど更新した自己ベストをさらに0.7秒ほど更新。それに加えて常にそのペースで走ることができ徐々に前のバイクに近づいていきます。

そして残り11周のバックストレートで1台パスして17位へ。これより前は約10秒ほど離されてしまい今パスしたライダーとの争いになると思われました。

いつもであれば後ろを抑える事に気持ちを切り替えますが今回は僕の誕生日。後ろなんて見たくないと思い全開アタックラップをここからゴールまで続ける!そう決めてひたすら走りました。すると後ろとの差も開いていき残り2周で約3秒引き離しました。





残り2周前で何かあればポイントを獲る事を諦めず走りますがバックストレートでトップ争いのライダーと野生動物が接触して野生動物がコース上に残る珍しい出来事があり赤旗中断。このままレースは終了。



最後チェッカーを受けるまで走りたかったけれど、ライダーや関係者に怪我が無かったことが不幸中の幸いです。




決勝レースでは常にバイクの安定感を感じ取り改善することの連続で良いペースを維持することができました。だからこそ予選の失敗が悔やまれます。

次戦の筑波ではセッティングに集中しすぎて迷子にならないように今回のSUGO大会の決勝レースでできたことを忘れずに筑波でもトライできるようにします。




最後になりますが、今回のSUGO大会では僕の誕生日ということもあり本当に沢山の方に応援していただきました。差し入れもありがたく頂戴しました。



また決勝レース当日から開始したクラウドファンディングへの支援も多くいただき、あなたに支えられていることを改めて実感しています。

最終戦の鈴鹿まで一緒にレースを走り、最後に見える景色を感情を共有できれば嬉しいです。クラウドファンディングは8月12日まで挑戦中ですのでぞくぞくの支援をお待ちしております。

https://camp-fire.jp/projects/view/762771?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_show



ありがとうございました!