さて、『今時感』が足りない私はどうすべきか…悩みました。
担当さんも、「どうしたらいいか分からない、改善案を何か考えて行こう」との事でした。
…担当さんが分からないのに、私ではもっと分かりません。
途方にくれていました。
そして、古臭い考え方&若々しさがない、今の自分に何が足りないのか人生を振り返ってみました。
中学生までは、皆と同じ。考え方も今時の子。
でも高校生になって、進路を考え始めた私は漫画家になる為には画力をつけなければ!と思い、何故か美大を目指しました。
それからは、毎日努力の日々。
食事・風呂、トイレ以外の起きている時間はとにかく漫画か絵を描いていました。
ゲームもせず、友達と遊びに行く事もせず、ただひたすら、時間が勿体ないとばかりにがむしゃらに頑張ってきました。
そして2浪して目標大学に入学。
その後はさらに高みを目指して、一番厳しい研究室(大学院)に入学して、今に至ります。
そしてふと気付きました…
私、遊んでない…と。
普通の子が遊んでいる時期に、受験の為に一切遊びには行かなかったんです。
美大に進学してこのまま画家になるのならこれでいいのですが、私がなりたいのは漫画家です。
漫画家ならば、様々な経験をして来た方が良かった。
もっと友達と遊びに行くとか、今時の子が夢中になる事をするとか。
私にはそういうものが全く足りてなかったんです。
妙にプライドばかり高くて、その影響か、物語の主人公が高飛車というか上から目線。
誰もそんな漫画読みたくありませんよね。
私だって嫌です。
頑張ったからとか、努力したとか、そんな自負は漫画には必要ないんですよね。
面白さが全ての世界なんですから。
漫画を描く上では邪魔な感情でした。
そこで、悩んだ私は、とりあえずめちゃくちゃ遊んでみよう!と思い立ち、最後の夏休みをとことん遊び倒してみました。
それこそ担当さんに連絡も取らず、もちろんネームの事も大学院の絵の事も忘れるくらい、一か月強アシスタント仲間と遊びまわりました。
プールに合コン、飲み会、コミケにまた飲み会、買い物…深夜の町を徘徊(笑)
久しぶりにというか、ほとんど初めてづくしの楽しい夏休みでした。
飲み会は好きでよく行っていましたが、夏にプールなんていうベタな遊びは中学生以来!!合コンなんて初めてです。
遊び倒した私は担当さんに連絡を取り、事の次第を報告しました。
そして遊んでどうだったか、どう感じたのか、それを漫画に活かしてみようということになりました。
(③へ続く)