城太郎の祖国日本の皆さま、如何お過ごしでせうか?
城太郎も何とか生き延びております。

近頃は寒く成って来たみたいでして昨日の12月8日(木)のメキシコシティの日中の最高気温は23℃で朝の最高気温は何と7℃と言う寒さでした。

日本蹴鞠隊の選手の人たちが成田空港に到着したと言う事が墨西哥のテレビのニュースで報道されてました。
NHKのニュース映像を使ったみたいで日本語の字幕が出ていました。

フルヴァツカ(👉英語表記クロエイシャ)に敗れたとは言え強豪国のエスパーニャ(👉スペイン)とドイッチュラント(👉ジャーマニー)に侍魂で見事に勝った日本蹴鞠隊の人たちです。

Multimedios TVの第6チャンネルの場合はスポーツニュースのあとが芸能ニュースなんですけど画面真ん中のボンズが...

「Gran Señora(偉大な女性)ジェニー・リベラさんが死んでから10年経ちました。10年前の今日ヌエボ・レオン州のモンテレイ市のArena Monterryでコンサートで歌って最後のステージを歌ったあとに飛行機事故でジェニーは亡くなりました...」

...と言う事を芸能ニュース担当のボンズが言ってパメラ・ロンゴリアさんが「Así es ...(そうですねえ...)」と言ういつもの相槌を打ってたんです。

2012年12月8日に『飛行機事故』で亡くなったアメリカ合州国キャリフォ−ニア州ロングビーチ生まれのメキシコ系米国人のジェニー・リベラさんです。

ジェニーさんの本名はJenney Dolores Rivera Saavedra なのでJenneyの綴りなんですけど芸名はTEX−MEX表記でJeni と書いてジェニーと読ませていたみたいです。

※United States of Americaですから『アメリカ合衆国』は誤訳で『アメリカ合州国』が正しいはずですから城太郎は『合衆国』ではなくて『合州国』と表記します。

ジェニーさんは英語ネイティブのチカーナだったんですけど両親の祖国メキシコにサウダーデ的な郷愁と愛着を強く持っていた人なのでステージネームもメキシコ人が話すTEX −MEX表記にしてJeni にしたりスペイン語の歌を数多く歌いました。

同じくchicana(チカーナ👉※1)でティキシース州エル・パソ出身のビッキー・カーさんはアメリカにずっと住んでいて英語ネイティブでしたからスペイン語の歌を歌っても外国人訛りがあったんですけどジェニー・リベラさんはメジャーリーガーのエステバン・ロアイーサ投手と結婚していた時期はアメリカに住んでましたけど離婚したあとはメキシコに住んでましたしスペイン語も流暢な人でした。

(※1) chicana (チカーナ)👉米国生まれのメキシコ系米国人女性。

ジェニーさんはGran Cantante (グラン・カンタンテ👉偉大な歌手)と言う称号を飛び越えてGran Señora (グラン・セニョーラ👉偉大な女性)と呼ばれて今なお多くのメキシコ人に慕われている人です。

(写真はネットの人からお借りしました)

(写真はネットの人からお借りしました)
今の日本ですと暴力団の組長との交際がバレちゃって明るみに出たらS田紳助さんみたいにアウトに成って芸能界では生きていけないと言う事態に成ってしまうんですけど昔はその辺の判定が緩かった時代で山口組三代目田岡一雄組長が企業舎弟の山沖一雄にやらせていた神戸芸能社に美空ひばりさんを始めとして田端義夫さんや高田浩吉さんや里見浩太郎さんとか橋幸夫さんや三波春夫さんとか山城新伍さんなどが所属していたんです。

(写真はネットの人からお借りしました)

鶴田浩二襲撃事件を起こした三代目山口組系安原会組員の山本健一(後に山健組組長)です。

(写真はネットの人からお借りしました)
同じく当時の安原会組員で鶴田浩二襲撃事件の指揮官役だった梶原清晴組員(後に安原会系梶原組組長)が山本健一、清水光重、益田芳夫、尾崎彰春らの組員を連れて鶴田浩二さんの宿泊先の大阪市天王寺区大道町の旅館備前屋に乗り込んだらしいんです。
梶原清晴はのちに山口組の若者頭に成ってます。

梶原組員が「こら鶴田っ、おのれはウチの田岡親分を舐めとんのか?」などと怒鳴って鶴田浩二さんのド頭(どたま)をウヰスキー瓶で殴り付けて山健こと山本健一組員が「お前は山口組を安う見とんのかあ?おおっ?」などと言ってビール瓶で鶴田浩二さんの頭を殴ったそうです。

神戸芸能社が当時の人気スターだった鶴田浩二を引き抜こうとしたところ鶴田さんが色良い返事をしなかった為に山口組系安原会の組員たちが鶴田浩二さんの宿泊先の旅館に押し入って共演者の人やスタッフの人たちと食事をしていた鶴田浩二さんを襲って怪我をさせたんです。

この事件で芸能界関係者たちに(神戸芸能社と山口組に逆らったら大変な事に成る)と言う事を知らしめた為に神戸芸能社と山口組は芸能人の興行関係の仕事のマーケティングシェアを高めたと言う訳です。

日本のヤクザの場合はビール瓶とかウヰスキー瓶ですからまあショボいって言うか大した事は無いですから鶴田浩二さんの命に別状は無かったんですけどもメキシコの場合は麻薬カルテルに逆らった人は必ず殺されるんです。

(画像はネットの人からお借りしました)

メキシコ人女優のケイト・デル・カスティージョさんの映画に出演したシナロアカルテルのボスのエル・チャポ・グスマンです。

(写真はネットの人からお借りしました)

(写真はネットの人からお借りしました)

山口組三代目の田岡一雄組長と歌手のM空ひばりさんの関係と言う物は田岡一雄組長がどう言う考えだったのかは良く判らないんですけどエル・チャポ・グスマンと言う人は世界最大の凶悪な麻薬カルテルのボスだった人なんですけど女優のケイト・デル・カスティージョさんとの奇妙な関係をドキュメント風の映画にする事を許可しただけでなく自分も出演したりするお茶目な感じの性格とか芸能人好きのミーハーな感じの性格の人だったみたいなんですけどジェニー・リベラさんとの関係はジェニーさんの歌に惚れ込んでいて私設ファンクラブの会長みたいな感じだったみたいなんです。

(写真はYouTube の人からお借りしました)

ジェニー・リベラさんが乗った自家用ジェット機が謎の爆発をしてジェニー・リベラさんたちが死んだんですけど携行式の追尾型誘導ミサイル発射器でジェニーさんの飛行機を撃墜したと思われる実行犯らしき人物が別件で逮捕されたんですけどカルテルの死の掟がありますから黙秘を続けて証拠のミサイル発射器も出て来ない状態ですからましてや親分のエル・チャポの関与などが実証出来ないと言う事に成りますからWikipedia でジェニー・リベラさんの所を見ますと『2012年12月8日に飛行機事故で死亡』と書いてあるんです。

99.9%の状況証拠があっても物に拠る物的証拠あるいは実行犯の自供が無い限りは公式の記録には暗殺とは書けないですから『飛行機事故』と書いてあるんですけどジェニーさんの死が事故だと言うような事を信じてるメキシコ人はたぶん1人も居ないはずだと思うんです。

フェリペ・カルデロン大統領時代の国務大臣で大統領府長官だったフアン・マヌエル・モーリーニョ氏や国軍の将軍や連邦警察の幹部らが乗った政府の専用飛行機が同じく謎の爆発を起こして墜落して全員死亡した事件があったんですけどこれもシナロアカルテルのヒットマンに拠るミサイル狙撃だとメキシコ人は信じてるんですけどジェニーさんの場合と同じで公式記録には『謎の飛行機爆発事故』と書いてあるんです。

ジェニー・リベラさんが殺された12月8日のモンテレイ市でのコンサート会場のアレーナ・モンテレイでカルテルの構成員と思われる数人の男がコンサート中に最前列の席から「ジェニー、お前は明日死ぬ」と殺害予告と思われるような事を怒鳴ったと言う事が近くの席にいた複数の観客の証言で明らかに成ってるんです。

噂好きのメキシコ人は良く調査研究をしないでクチコミの不正確情報に自分の適当な推測を交えて更にデマのchisme (チズメ👉噂話、与太話)を増幅させて撒き散らしますから「ジェニー・リベラがエル・チャポ・グスマンに金を強請られていた」などと言う事を言う連中が多いんですけど城太郎はジェニー・リベラさんのファンなので芸能雑誌や新聞記事とかテレビの特集番組などを良く見て調査したんです。

城太郎の調査と分析の結果ではジェニーさんとエル・チャポのトラブルは金銭トラブルではなくてヤクザ者の面子(メンツ)の問題だったと思うんです。

ジェニーさんのマネージャーだった人とかジェニーさんの家族からジェニーさんがエル・チャポ親分に「モンテレイのコンサートで歌うな、歌ったら殺す」と脅されていたと言う証言は出てるんですけど金を強請られていたと言うような話は出て無いんです。

「そうですねえ...本当に惜しい人を亡くしましたねえ...」

モンテレイ市があるヌエボ・レオン州を縄張りにしていた麻薬カルテルのロス・セータスの組織がシナロアカルテルに反旗を翻して抗争事件が起きてシナロアとロス・セータスが反目(ハンメ)に成ったらしいんです...

「なあ、ジェニー、俺はお前さんの歌が好きだ、お前の歌は最高だ...俺はお前を殺したくねえんだ...だからモンテレイの会場では歌うな、モンテレイはセータスの奴らのシマだから俺の息が掛かってる歌手は誰もモンテレイでは歌わねえんだ...俺の顔を潰す奴は死ぬ事に成るんだ...たとえお前さんでも俺は殺さねえとならねえんだ...俺の顔を潰した奴を放っておいたら俺が笑われる事に成るからな...だからモンテレイには行くな...」

「私の歌を聴きたくて前売り券を買って家族でコンサートを楽しみにしてる人たちがいるんです...その人たちを私はがっかりさせたくないから歌わせてください...」

「駄目だ、行くな」
「私は歌手です...プロの歌手です...ファンの人たちのお陰で好きな歌を歌って生きて来れたんです...モンテレイに行きます」

と言うような事だったのではないかと城太郎は思うんです。

エル・チャポ・グスマンの縄張りのシナロア州だったら全ての場所に監視の目があって逃げ切れないけど敵の土地のヌエボ・レオンだからシナロアカルテルもあまり人数を送れないのではないか?とジェニーさんたちの側は考えていたみたいな気がするんです。

それでも相手はシナロアカルテルですからコンサートが終わったあとの脱出用に自家用ジェット機を急遽購入してパイロットと1緒に秘密の場所に隠しておいてコンサートが終わったあとに急いで飛行機の場所に行ってジェット機で脱出したらしいんですけどジェニーさんたちの行動は全てシナロアカルテルのヒットマンたちにバレていて飛行機が離陸したあとに携行式のミサイルみたいな物で撃たれて飛行機が空中で爆発して全員死亡したらしいんです...

日本のチョボくれたヘッポコやくざの暴力団なんかと違ってメキシコの麻薬カルテルは国の軍隊が戦っても潰せないくらいの強大な組織で凶悪で危険な団体ですから城太郎も含めてメキシコ人の99%の人はカルテルの構成員には逆らわないんです。

然しながらミチョアカン1家の脅しに屈せずに正義の実現と麻薬カルテルの絶滅を唱えて命を落としたミチョアカン州ティキチェオ市の市長だったマリア・サントス・ゴロスティエータさんみたいにマフィアの脅しに屈しないで命を落とした人がたくさんいる事も事実なんです。

治安が悪くて殺人が多い国に住んでますから大多数のメキシコ人は臆病なんですけど今の時代の日本人よりも勇敢なメキシコ人が多い事も事実なんです。

ジェニーさんはコンサートの途中にシナロアカルテルの構成員からの殺害予告を受けながらも顔色1つ変えずに全ての曲目をいつもの通りに感情たっぷりのジェニー節の歌い方で歌ってステージを全うしたらしいんです。

ジェニーさんは麻薬カルテルのボスの脅しに屈せずに歌手道に殉じて死んだ人ですから偉大な歌手だと思うんですけど多くのメキシコ人が歌手としてのジェニーさんの歌も好きだけどジェニーさんの人としての生き方を立派だと思うからGran Señora (偉大な女性)と言う称号でジェニー・リベラさんの事を呼んでいると言う事だと思うんです。

Multimedios TVの芸能レポーターの人がこのビデオ映像のコンサート会場が何処か?🤔と言う1番肝心な事を言わなかったんですけど城太郎の勘なんですけど...もしかしたら殺される直前のモンテレイのコンサート会場のアレーナ・モンテレイでの最後のステージの映像みたいな気がするんです...

観客が立っていて立ち聴きの人がいる点とかアレーナの会場の田舎っぽい雰囲気から言ってヌエボ・レオン州とか地方の会場みたいな気がするんです。


このシーンが曲と曲の間にカルテルのメンバーから殺害予告を受けた時のジェニーさんの(撃つなら撃ちなさい、私は歌いながら死んでやる)と言うような感じでマフィアの構成員を睨み付けて頭に拳銃を突き付けたようなゼスチャーをした場面みたいなんです。

城太郎はジェニーさんを偲んでジェニーさんのDVDを観ながらビールを飲みました。

Estaré contigo cuando triste estes (あなたが悲しい時に私は駆け付けます)と言う歌はフレディ・フェンダーさんのカントゥリー・ミュージックの不朽の名曲Before the next teardrop falls (邦題 : 涙のしずく)のスペイン語版カバーなんですけど城太郎はオリジナルのフェンダーさんの英語版の歌も当然大好きなんですけどジェニーさんのスペイン語版も凄く好きなんです。

ジェニーさんのご冥福をお祈りします。

※写真(2)~(7)と写真(17)~(22)はメキシコのテレビ局の人から画像をお借りしました。

※写真(8)~(16)と写真(24)(25)の画像はネットの人からお借りしました。