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(解説)
映画批評のバイブル「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」が誕生するに至る経緯と、
それが現代の映画作家たちに与えた多大な影響を描いた、全映画ファン必見の魅惑作。

ヌーヴェルヴァーグの旗手F・トリュフォーが、敬愛する映画作家A・ヒッチコックへの徹底インタビューを通して、
その映画魔術の魅力を存分に解き明かした「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」。
この歴史的名著をめぐる誕生秘話を、伝説的なインタビューの貴重な音源を通して紹介するほか、
M・スコセッシ、D・フィンチャー、W・アンダーソン、黒沢清、等々、
現代を代表するそうそうたる顔ぶれの映画作家たちが、各自の視点からヒッチコック映画の魅力を縦横無尽に語り、
全映画ファン必見の充実作に仕上がった。 ※初回放送時の情報を掲載しております。



映画批評のバイブル「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」が誕生するに至る経緯と、
それが現代の映画作家たちに与えた多大な影響を描いた、全映画ファン必見の魅惑作。

若き映画批評家だった1950年代から、ヒッチコック映画を熱烈に称賛していたトリュフォー。
1962年、自らも映画監督となったトリュフォーは、念願のヒッチコックへのロングインタビューを敢行。
やがて「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」が刊行されると、同書は映画批評のバイブルとなり、
映画の神様ヒッチコックの名声と地位は不動のものに。また、現代の映画作家たちが、
各自の視点からヒッチコック映画の魅力を語る。


作品データ

原題/Hitchcock/Truffaut
制作年/2015
制作国/アメリカ/フランス
内容時間(字幕版)/81分
ジャンル/ドキュメンタリー

出演

出演
マーティン・スコセッシ
出演
デヴィッド・フィンチャー
出演
黒沢清
出演
ウェス・アンダーソン
出演
ジェームズ・グレイ
出演
オリヴィエ・アサイヤス
出演
リチャード・リンクレイター
ナレーション
マチュー・アマルリック

スタッフ

監督
ケント・ジョーンズ
製作
チャールズ・S・コーエン
製作
オリヴィエ・ミール
脚本
ケント・ジョーンズ
脚本
セルジュ・トゥビ
(以上ネットより)


 
 
(感想)

何度も読んだことのある「ヒッチコック映画術」の
映画版。

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この本はとても分厚い本で、初めて読むときには
読み切れるんだろうかと思うほどの分量だった。
だが、そんな懸念はまったく杞憂であった。

興味深い話がどんどん出てきて、あっという間に読めてしまったし、
それから何年かに一度、繰り返して読んでいるがとても面白い。
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この映画では、8日間、30時間に渡って行われて著した上記の本を
ダイジェストにしたもの。
本はもっと一作ずつ、微に入り細に入り、ヒッチコック自身が解説しているから
映画の方は少し物足りない気はするものの、それぞれの映像が挟まれるのはやはり
映画ならではの醍醐味。

マーチン・スコセッシやデビット・フィンチャーなどが
自身の解釈を述べるのも魅力。(本には彼等は登場しない)

 
映画に登場するのは「汚名」「北北西に進路を取れ」などだが
特に扱われているのは「サイコ」と「めまい」だ。
 
サイコは興行的にも大成功をおさめたが、めまいは「失敗作」と、当時は
言われたらしい。
確かにめまいの方は、見ていて何とも霧の中を迷いながら進むような
もどかしさがあって、少しスピード感に欠けるように感じる点はある。
 
心を奪われる金髪の女が、落下して命を落とした後くらいから
面白さが出てくるのだが・・・。
それでも、映像関係者などからは評価の高い作品だ。
そして「変態による変態の映画だ」と
言い切っているように、あの映画は下手に描いたらとんでもない下卑たものに
なりかねないかもしれない。

しかしそれをああいう官能的で下品にならずに描けるというのは
ヒッチコックのなせる業なのだ。

「サイコ」はもう言うまでもなく、ヒッチコックの作品の中でも利益率が
もっとも高かったのではないか、というほどの大ヒットを記録したものだし、
映画としても実に面白く、実験的要素も含んだ意欲的な作品だった。

主人公が話の途中で殺害されてしまい、ストーリーが
ガラッと様相を変えてしまうという意外性。

ブライアン・デ・パルマがそれを踏襲して「殺しのドレス」を作っているが、
かように後世に多大な影響を与えた。

また、探偵が「母親」に襲われるシーンも、俯瞰で撮っているが
これも実にうまい。
スコセッシが「神の視点」と言っていたが、そのように見えると同時に
母親の顔を映さずにすむ、トリック的な撮り方で、巧妙だ。
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「汚名」ではファイブミニッツキスについて話があったが、
私としては手の中にある鍵を、カメラが天井からずんずん降りて行って
捉えるあのシーンが強く印象に残っている。
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トリュフォーが、このように大がかりなインタビューを敢行してくれて
本当に有難い。
偉大な映画作家の「映画術」の秘密を少しでも知ることが出来て良かった。