1977年作品
169分

監督=森谷司郎
脚本=橋本忍
原作=新田次郎

キャスト
高倉健
北大路欣也
丹波哲郎
緒形拳
三国連太郎
島田省吾
大滝秀治
藤岡琢也
前田吟
加山雄三
神山繁
栗原小巻
加賀まりこ
秋吉久美子
加藤嘉




(あらすじ)
時は日露戦争前。
雪に強いロシア軍が攻めてきたときに備えて、八甲田山系で雪中行軍をしようということになりました。
あまり経験がないというふたつのチームが、青森市と弘前市から出発し、
八甲田山ですれ違うという粋な案が出されました。

しかし予定の日はあいにくの悪天候で、視界を見失ってしまいます。
それでも、用心深く準備をして地元の道先案内人も雇った弘前三十一連隊(徳島大尉:高倉健側)は、
なんとか無事帰還します。
一方、見通しが甘く準備不足で、しかも指揮命令系統が混乱して数々の失態が重なった
青森五連隊(神田大尉:北大路欣也側)は、210人中199人が亡くなり、
世界的にも類を見ない大惨事となってしまったのです。

2人の大尉は八甲田山で会おうという約束をしていましたが果たされず、
生き残った弘前の連隊も、結局日露戦争で全員亡くなりました、という字幕で終わります。

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世界にも類を見ない大惨事とのこと・・・。


公開当時、映画館で見たけど、本当に寒く怖く感じた映画だった。
もうあまり繰り返し見たいとは思わなかったけど、
あれから何十年もたって、たまたま見たら、やはり面白かった。

青森連隊側が壊滅的被害を受け、北大路欣也役の神田大尉が
あまりに気の毒で仕方なかった。


これは軍隊という、上官の命令は絶対、という組織での
あらゆる理不尽や間違いが引き起こした惨事といえるけど、
でも、一般企業でも起こりうることかもしれない。


青森連隊の上官山田(三国連太郎)が
どうにもこうにも、無能なのに驕りたかぶりがあるし、
せっかく山に詳しい地元民(加藤嘉さん)が道案内しようと
申し出てくれているのに、そんなものなくても行けるわ!とか
言って、しかも「金目当てだろう」とか
失礼なこと言って、断っちゃうんだよね。
本当にバカだよ。

折悪しく、天候が悪化、ただでさえ雪山は
目印がほとんどないのに吹雪のせいで
ますます自分たちの位置が分からなくなる。

案内人がいなくても、軍人だし、磁石もあるし、
なんて言ってたが、雪山で磁石はきかなかった。
雪の中では、軍人であることもなんら
関係なかったし。

しかも、神田大尉の考えと、逆ばかりやってしまう。
夜になるけれど、なるべく進んでおいた方がいいという
神田に対し、山田はいや、夜にウロウロしないほうがいい、
野営をしよう、と強引に決めてしまい、神田は
それに従うしかない。

そのせいで天候はますます悪化してしまい、
状況はさらに悪化する。

次の日は、とどまって助けを待った方がいいという
神田に対し、山田は、いや、こんなところにいたら
ますます方向がわからなくなるから、進軍しよう、と
また逆のことを言い、神田は従ってしまう。

それらが全部裏目に出て
結局、青森連隊は悲劇的な事態に陥ってしまう。


訓練のはずなのに、これだけ大きな被害を
生んでしまって、その教訓は生かせているのだろうか。



考えてみれば、日本ってこういう思い込みや妙な楽観視で
被害を大きくしてしまうことが多くないだろうか。

大東亜戦争だって、戦争前の分析では
アメリカには勝てない、と結論が出ていたにもかかわらず、
何故か戦争に突入してしまい、結果、
あのような悲惨な敗戦となってしまった。

なにかしら、大きな流れが世の中にあると、
それに抵抗したり、モノ申したりすると
異端扱いされ、多数派に追従しないと
村八分的扱いくらい、孤立させられる面がある。


ワクチン接種、マスクなどの時もそうだった。
そして
その後たいして分析もしない。


それではまた
同じ過ちを繰り返してしまうんじゃないか。

そんなことを考えさせられる映画だった。


 

 

役者さんも大物が多数出演していて
見ごたえがあった。


高倉健、北大路欣也も若くて、とても精悍で良い、
三国連太郎の憎たらしさもいい、のちに
釣りバカ日誌で可愛いスーさんを演じるようになるとは。

加藤嘉さんも安定の良さ。
秋吉久美子も可愛かったなあ~。

なによりも
この撮影そのものが大変だっただろうと
思う。
実際にロケに行ってるだろうし、あの吹雪なども
今のようにCGがある訳でもないので
本物だろうから、撮影隊が雪中行軍並みの
過酷さだったろう。


その折々に、夏や春の八甲田山が映し出されるが
それがまた天国のように美しく穏やかで悠然としていて、
地獄のような雪山との落差が
対比され、大自然の凄さを感じさせた。