


俺たちに明日はない
(1967年)
監督:アーサー・ペン
製作:ウォーレン・ベイティ
脚本:デヴィッド・ニューマン,ロバート・ベントン,ロバート・タウン
撮影:バーネット・ガフィ
音楽:チャールズ・ストラウス
出演:
クライド・バロウ/ウォーレン・ベイティ
ボニー・パーカー/フェイ・ダナウェイ
バック・バロウ/ジーン・ハックマン
C・W・モス/マイケル・J・ポラード
ブランシュ/エステル・パーソンズ
フランク/デンヴァー・パイル
アイヴァン・モス/ダブ・テイラー
ヴェルマ・デイヴィス/エヴァンス・エヴァンス
ユージン・グリザード/ジーン・ワイルダー
受賞
アカデミー賞受賞
助演女優賞
撮影賞
キネマ旬報ベストテン
キネマ旬報ベストテン ベストワン 委員選出 外国映画
映画ベスト100
★言わずと知れた名作映画「ボニーとクライド 俺たちに明日はない」
つくづく思うけど、「俺たちに明日はない」って
秀逸な邦題。
本当によくできたタイトル。
当時の日本では「ボニーとクライド」と言われても、誰、それ?くらいの
認識しかなかっただろうし、原題そのままでは
関心を引くのが難しかっただろう。
それで「俺たちに明日はない」
本当にいい得て妙。
映画の内容を端的に表し、
刹那的、衝動的な二人の物語をこんなにもうまく表現できているなんて
考えた人、すごいと思う。
そこまで絶賛するのは、今はこういう秀逸な邦題があまり見られないから。
当時はカッコイイ邦題は結構あったように思う。
その中のひとつにすぎなかったものが、時を経て
値打ちが一層出てきた。
他には似たようなもので「明日に向かって撃て!」これも原題は
「ブッチ・キャシデイ&サンダンス・キッド」だけど、それも当時の日本人には
誰?それ状態だから、この素敵な邦題は、見たくなる気持ちを誘発し、
優秀だったと思う。
ボニーとクライドは、不況時代のアメリカにあって、
貧乏人からはお金を取らず、主に銀行強盗して荒稼ぎしたということで
一部、英雄扱いされたらしい。
ある種、当時の社会が生んだ犯罪者ともいえるかもしれない。
だが、こんな時代であっても誰もが道を外したわけじゃないし、
泥棒に違いはない。そのうえ、強盗を繰り返すうち、
善良な市民を殺すことになってしまう。
警官も多数殺してしまう。
全部で13人もの人を殺したというから、もはや英雄とは言えない。
だから最後の衝撃的な死にざまを迎えるのも
致し方ないと思える。
昔、観たときは、やっぱり二人が可愛そうに思えたが、
いま、年を取って親目線になってみると、
こういう末路を迎えてもしょうがないなと思うようになった。
クライドの兄の奥さんも、昔に見たときは、
ワーギャーやかましいし、二人の足を引っ張るし、相当
ウザイなんて思ったものだったが、
今見ると、同情を禁じ得ない。
もともと、この人は強盗仲間になるつもりなんかまったくなかったのに、
行きがかり上、たまたま共犯みたいなことになってしまって、
しかも夫は撃たれて死亡、自身も失明してしまうという酷い目にあってしまう。
本当に気の毒。
CWも、自身は、ボニーとクライドを崇拝しているが、父のもとへ帰ったのが
運の尽き、CWの父親は取引して息子の減刑の代わりに
ボニーとクライドを売るのだ。
が、それも仕方がないことだと思う。
彼らは立派なお尋ね者。
ちょっと足りない息子のために、犯罪者を突き出すのは親として
しょうがない行為。
衝撃的なラストシーンは、初めて見たときは震えた。
勝手に涙があふれた、あまりに痛ましかった。
今見ても凄いシーンだと思う。
カット割りが素晴らしい。
CWの親父がパンク修理のふりをして二人の車を止める。
二人は疑いもせず、車を止め、クライドは車外へ。
鳥が飛び立つ。
CWの親父がサッと車の下に身を隠す。
瞬間、察知した二人は顔を見合わせる。
そして待ち伏せていた警官らの一斉射撃が始まる。
その間、あっという間なのだが
流れるようなカット割りで、美しい。
映画史に残る名シーンだった。
最後も、複雑な表情をしたテキサスレンジャーや警官の
カットでサッとエンドマークが出て終わり。
ダラダラと映してない潔さがまた
とても印象的だった。
