おすすめ映画「見知らぬ乗客」ヒッチコック

「見知らぬ乗客」

製作年：1951
製作国：アメリカ
監督：アルフレッド・ヒッチコック

原作；パトリシア・ハイスミス

主演：ファーリー・グレンジャー

　　　　ルース・ローマン

　　　　ロバート・ウオーカー

冒頭は二つの靴が別々のところから動いてきて

ある地点でぶつかり、運命の交差を描いてる。

そこまでは靴のカットだけ。

ぶつかって初めてそれぞれの顔が映される。

「交換殺人」という、今でこそよくある手法だけどこの当時は斬新だったと思います。
ロバート・ウオーカーの狂気的な人物像が怖かったが
それよりその母親のほうが狂っている、という描写も

少ない時間で的確に表現。

印象的なシーン、小物などの表現があります。

眼鏡に映る殺人シーン、

アリバイを握る重要な証拠となるライターを拾うところ、

テニスの試合シーン、そして

最後のメリーゴーランドの暴走、など忘れることのできない場面が多々ありました。

交換殺人を唐突に列車の中でガイ（ファーリー・グレンジャー）にもちかける

ブルーノ（ロバート・ウオーカー）は、その時点で相当

狂ってる人物ですが、彼の言う交換殺人なんて、度のすぎた悪い冗談だと、

ガイは、軽くあしらうんですが、ブルーノの方は本気なんです。

それで、ガイが離婚したいと思ってる妻のあとをつけ、遊園地までおいかけ

そこでいきなり凶行に及ぶんです。

それが、ガイの妻の落としたメガネに映り込むんですが、印象的なシーンで

巧いですね。

その後、ガイの恋人の妹と会ったブルーノは、自分の犯行を、妹のメガネを見て、

思い出し、様子がおかしくなります。

そして、ブルーノの母親っていうのがまた、相当おかしな人物で・・・。

やはり彼女も狂ってるように見えます。

遺伝なんでしょうか。

勝手に妻を殺しておいて、それで交換殺人を実行せよ、と

ブルーノはガイに強く迫るんです！

殺された妻と離婚のことでもめていた事実があるので、

ガイは疑われます。

妻が殺されたとき、ガイは列車に乗っていました。

たまたま同乗していた人物が見つかり、証言してもらおうと思いますが、彼は

当時、酔っていて、証言の役には立ちません。

アリバイが成立しません。

窮地に立たされるガイ。

ブルーノは交換に、自分の父をガイに殺すよう命じますが、ガイが

断ると、列車に乗り合わせたときに、ガイに借りたライターを返さず持っていたブルーノは、

それを殺人現場に置きに行って、ガイが殺した証拠にしてやる、と脅すのです。

それを阻止しようとするガイ。

しかし、折しもテニスの試合があり、ブルーノが遊園地の殺人現場に行くのに

間に合うかどうか、という切羽詰まった状況となってしまいます・・・。

テニスの試合と、ブルーノが遊園地の殺害現場に向かうのを

交互に映し出し、ハラハラさせます。

ヒッチコックの登場シーン。

いつも彼は自分の作品にチラっと登場します。それが楽しみでもありました。

昔は、この映画何度もTVで放送していて、よく見ました。

吹き替えは、ガイを愛川欽也、ブルーノを山田康夫がしていたと思います。

吹き替えも良かったです。