父親がコメント「自慢の娘だった」

今回の事故で亡くなった阿部真理絵さん(22)の父親の知和さん(56)が、通夜のあと報道各社の取材に応じ、用意したコメントを読み上げました。
「本 当に明るく、誰とでも仲良くできる自慢の娘でした。真理絵は突然の事故により、非常に短い人生を終えることになりましたが、多くの友人や恩師のお言葉を聞 き、とても楽しく、充実した22年間を過ごせたことが分かりました。今回の事故については、憤りを禁じ得ませんが、多くの報道を見ていると、今の日本が抱 える、偏った労働力の不足や、過度な利益の追求、安全の軽視など、社会問題によって生じた、ひずみによって発生したように思えてなりません。今回の事故に ついては、警察によって原因と責任の追及がなされ、また、行政による旅行業者の問題の洗い出しや、改善が行われることを期待しておりますが、すぐによくな るものではないと思っております。きょうも多くの若者がバスツアーに出かけているでしょう。ぜひ、自分の身は自分で守るということを考えてください。優先 順位を間違えないこと、安全は『マスト項目』であり、費用削減は『ウォント項目』であることを冷静に考えてほしいと思います。今回の事故につながったツ アーに関して、私たちは娘を信用しきって、内容をほとんど確認せずに参加させてしまいました。あとの祭りにはなりますが、『ツアーがどんな内容か』とか、 『ちゃんとシートベルトを締めろよ』とかの声がけをすべきであったと悔いております。親兄弟、おじいちゃんおばあちゃんとして、子どもたちに何が大切なの かを気付けるような声がけをしてほしいと思います。お節介だとか、うざいとか思われるかも知れませんが、年長者の役割のように思っております。1月15日 は、私たち家族やほかの遺族にとっては命日になりますが、報道関係者や旅行業者の関係者などにおかれましては、このような事故が起こらないように、毎年、 何らかの発信、行動をなすようにしていただければ、今回の事故の犠牲者がみなさんの心の中に生き続け、安全に対する心のたがが緩むことを防げる一助になる のではないかと思っております」。
(ここまで)


*この事故には本当に胸を痛めています。
そのために書きづらく、逡巡してしまっていました。
けれど、このお父様のコメントに感動し
紹介させていただきました。

「日本社会の偏った労働力不足
過度な利益の追求・・・」など
まさに現代の問題点が指摘されています。

過度な利益の追求に何故なるのか?
やっぱり規制緩和が始まりなのではないかと
思ってしまいます。
規制緩和により、このバス運輸事業にワッと
参入する。
数が多くなれば過当競争になる。
値段の安さで打ち勝とうとする、経費削減をする、
安全面が疎かになる・・・。
と負のスパイラルに陥るのではないでしょうか。

これは新自由主義と言われる、竹中平蔵の
提唱する考え方そのもの。
「規制緩和」し、「官から民へ」移行すれば
全て良くなる、と猛進した結果がこれではないのかと。

数年前にも中国人が起こしたバス事故がありましたが
あの時もこういう意見があり、規制緩和に対する
疑問が起きました。でも結局またこのような
悲惨な大事故が起きてしまいました。
前途ある若者ばかりが被害にあい、貴重な
生命が奪われてしまいました。

何ともやりきれないです。

私は小泉、竹中の路線を継承し続ける
安倍総理の考え方には断固反対です。
雇用は生きるうえで生命線です。
終身雇用は大事なセーフテイネットだと思います。
デフレ下においては規制はむしろ強めるべきで
雇用においては望む人には、
正社員登用を基本とすべきです。