「日本のいちばん長い日」が
リメイクされ今年上映されるようです。


私にとっては岡本喜八監督の作品が最高です。
全編、ただならぬ迫力と緊張感が漲り、
息もつかせぬ力作に仕上がっています。
日本の終戦を決定するときの首脳陣、陛下の
苦悩、それら事実を踏まえながら
映画としての面白さも充分味わえます。

そして心に残る素晴らしいセリフの数々。
ネットにありましたので一部
引用させていただきます。


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「日本にもう戦う力なぞは・・・」(石黒農相)

「天皇および日本国政府は連合国司令官に
サブジェクト・トゥするとなっており
これは隷属であり絶対受諾など出来ません!」(畑中少佐)

「戦争が継続になったら何もかもおしまいだ。いざとなったらもうこれ(青酸カリによる自決)
しか方法がないかも知れんね」(迫水書記官長)

「もうあと二千万、日本人の男子の半分を特攻に出す覚悟で
戦えば、必ず、必ず勝てます!」
(大西海軍軍令部次長)

「勝つか負けるかはもう問題ではない。
日本の国民を生かすか殺すかなのです」(東郷外相)

「陸軍大臣も部内からの突き上げで苦しいのです。
待てるものならもう二日
待ってあげることは出来ないでしょうか」(小林海軍軍医)

「万一終戦と決まった場合、東部軍の作戦参謀としてどのような態度をとるべきかでありますが」
(東部軍・不破参謀)

「下らん上層部の右往左往など気にするな。厚木基地は最後まで戦うぞ!」
(厚木基地・小園司令)

「建軍以来一度も敗戦を知らず、『生きて虜囚の辱めを受けず』と徹底的に教育されて
ますからね」
(蓮沼侍従武官長)

「いまさら論じてももうどうにもならん。行動あるのみだ」(椎崎中佐)

「この決定に逆らうものは反乱軍、というわけだな」(第二総軍・畑元帥)

「市谷台の将校は全員切腹するのだ」(井田中佐)

「陸相は今までの戦闘を単に補給戦に負けたに過ぎんとその責任を他の部門に
転嫁されようとるのか!」(米内海相)

「多くの兵がなぜ死んでいったのだ!
みんな日本の勝利を固く信じていたからではないのか!
彼らにはなんとしても栄光ある敗北を与えねばならん」

(阿南陸相)

「ついては軍の真意をお聞かせ願いたい」(第二総軍参謀・白石中佐)

「皇軍の辞書に降伏の二字なし」(横浜警備隊長・佐々木大尉)

「皇国の勝敗はかかって諸君の双肩にある」(児玉基地・野中大佐)

「天皇がやめろと言われるからやめる。聞こえはいいがこれは一種の責任逃れです」
(井田中佐)

「私はこれから明治神宮に行きその社前に額ずき、一人の赤裸々な日本人として右するか
左するか決めたいと思う」(森近衛師団長)

「私も戦争終結には反対です。いまさら無条件降伏など」(首相官邸警備の警官)

「君達だけが国を守ってるのではない。われわれ国民全員が力をあわせなくては」(徳川侍従)

「直ちに反乱軍を鎮圧する!」(田中東部軍司令官)

「現在は警戒警報発令中であり、東部軍の許可のない限り放送は出来ません」
(NHK館野アナウンサー)

「あらゆる手続きが必要だ。儀式と言ったほうがいいのかも知れない。
何しろ大日本帝国のお葬式だからね」
(下村情報局総裁)

「もう年寄りの出る幕じゃないよ。これからはもっと若い人の時代でね」(鈴木首相)

「このたびの放送は天皇自らがわれわれ兵を直接叱咤激励してくれると信じている者が多数
おるようでありますが」(児玉基地・将校)



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などなど・・・。(赤字は私が涙したセリフ)


それに俳優陣が素晴らしかったですね。

  笠智衆  宮口精二  三船敏郎

山村聰  島田正吾  志村喬  小林圭樹

高橋悦史  黒澤年男
ナレーションに仲代達矢

などなど・・・。綺羅星の如く、超一流の役者が揃いました。

今の俳優にはない芯から湧き出る人間性が、
演技を感じさせないほどの迫力を出していました。


この作品を超えることは出来ないと思います。


詳しい作品データがありましたので追記します。

1967年/日本

‣監督:岡本喜八

‣脚本:橋本忍

‣出演

 

 

  • 小瀬格:若松只一中将(陸軍次官)
  • 大友伸:吉積正雄中将(軍務局長)
  • 玉川伊佐男:荒尾 興功大佐(軍事課長)
  • 高橋悦史:井田正孝中佐(軍務課員)
  • 中丸忠雄:椎崎二郎中佐(軍事課員)
  • 井上孝雄:竹下正彦中佐(軍事課員)
  • 黒沢年男 :畑中健二少佐(軍事課員)

 

  • 石山健二郎:田中静壱大将(東部軍司令官
  • 森幹太:高嶋辰彦少将(参謀長)
  • 土屋嘉男:不破博大佐(高級参謀)
  • 宮部昭夫:稲留大佐(参謀)

 

  • 島田正吾 :森赳中将(近衛師団  第一師団長)
  • 若宮忠三郎:水谷一生大佐(参謀長)
  • 田島義文:渡辺多粮大佐(歩兵第一連隊長)
  • 藤田進:芳賀豊次郎大佐(歩兵第二連隊長)
  • 佐藤允 :古賀秀正少佐(参謀)
  • 天本英世 :佐々木武雄大尉(隊長)

 

  • 田崎潤 :小園安名大佐(厚木基地(第302航空隊)司令)
  • 平田昭彦 :菅原英雄中佐(厚木基地(第302航空隊)副長)
  • 堺左千夫 :飛行整備科長

 

  • 森野五郎:大橋八郎(NHK 会長)
  • 加東大介 :矢部(国内局長)
  • 石田茂樹:荒川(技術局長)
  • 須田準之助:高橋武治(報道部長)
  • 加山雄三 :館野守男(放送員)
  • 小泉博和田信賢 (放送員)
  • 草川直也:長友俊一(技師)
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ところでこの映画に関して色々見ていたら
この映画を称賛しながらも日本の「侵略」について
全く触れられていないと書かれているブログがありました。


「侵略」とは、政府は定義できないと国会で答弁したり
していました。

1928年、パリで不戦条約が調印され
「侵略戦争」の放棄を宣言。

ところが侵略の定義は当事国に任されていたということです。
「我が国は侵略する」と宣言でもしない限り
侵略にはならない。
実際条約締結後ソ連は「自衛戦争」だとして満州を
攻めました。

だから「侵略」などというのは当事国が認めない限り
成立しないと言えると思います。

世界の国々で過去、明らかに「侵略」だと思えるものでも
どこの国が侵略だった、と認めているでしょう?

そんなの認めていらぬ罪をかぶっているのは
日本だけですよ。
東条英機は「侵略戦争ではなかった」と主張しています。
マッカーサーも概ね「自衛戦争だった」と述べています。

戦後の日本が日本を「侵略国家」と
決め付けてしまったのです。