ドラマは参院で・図々しい…脅しですまない自民
消費増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法案は、18日から参院の特別委員会で本格論戦が
始まる。
法案は先月、民主、自民、公明3党の修正合意により
衆院通過したが、参院ではすんなり「可決・成立」と
いかない可能性も出てきた。
自民党が野田首相に不満を強めているためだ。
「今まではシナリオ通りにいってるが、
ドラマは参院で起きる」
自民党の伊吹文明元幹事長は14日の読売テレビの
番組でこう語った。伊吹氏は、衆院特別委の野党筆頭理事を務め、3党修正合意の「仕切り役」だった。
増税は必要との認識から野田政権に協力したわけだが、この日はその姿勢を軌道修正する可能性を示唆した。
伊吹氏の言葉は「ブラフ(脅し)」では片づけられそうもない。11日夜、党の谷垣総裁と会食した際も、
「首相は3党合意があるから参院はほっといても通ると
思っているようだ。ずうずうしい」「何を勘違いしてるのか」と両氏は首相批判で盛り上がったという。
自民党執行部は、消費増税への協力と引き換えに
衆院解散への確約を首相に求めてきた。
確約はとれていないが、「自公両党のおかげで増税を
実現するのだから、実現したら早晩、
衆院を解散するはずだ」(党幹部)と期待する。
ところが、首相は最近、沖縄・尖閣諸島の国有化や、
集団的自衛権の政府解釈の見直し検討の表明など、
政権続投への強い意欲を示し始めた。
解散についても「やらなければならないことをやり抜いた上で」(首相)と説明するだけだ。
谷垣氏や伊吹氏は党内きっての増税論者で、
政局の混乱よりは一体改革関連法案の成立を優先させるとの見方は多い。
ただ、党内には、成立前に衆院に内閣不信任決議案を提出し、小沢一郎氏率いる「国民の生活が第一」と、
民主党にとどまった鳩山元首相グループと連携し、
可決を目指すべきだ――との声もある。
参院自民党の山本一太前政審会長は
14日のTBS番組で、民主党内に増税反対論者が
残ることを問題視し、「3党合意への背信だ。
(参院で法案を)採決すべきでない」と主張した。