ウォルマート | 翡翠のブログ

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ウオルマート

日本未公開
ドキュメンタリー「ウオルマート」を観た。


名前は耳にしたことがあったが、
恐ろしい企業だ。
世界一の利益を上げているという巨大スーパー
マーケット、ウオルマート。
その商売の手法はあまりにあくどい。

地方の、ささやかだが穏やかに地域に密着して
地元の人と交流しながら
経営している小売店が多くあるような地域に乗り出していって
大規模店舗をおったてて、激安商品を大量に売る。
当然、地元の小売店は太刀打ちできず、軒並み潰れてしまう。
ウオルマートの一人勝ち、独占状態だ。

小売店が潰れて失業した人たちはウオルマートで働く。
そこしか働くところがないからだ。
しかし、人件費節約のため、人を雇うのを極力押さえ
一人の人間に長時間、過重労働を強いる。
残業代も未払い。
賃金は最低限だけなので、食べていくのでさえおぼつかない。
保険も、会社の保険に入れるが保険料が高くて生活を圧迫する。
激安の給料で、高い保険料を払い、ウオルマートで買い物をする。
賃金は、結局ウオルマートに戻っていく仕組み。
その地域にはウオルマート以外の店はないのでそこで
従業員も買うしかないのだ。
給料だけでやっていけない人は、会社が
生活保護を受けるよう勧めてくるという。
待遇改善を求めるための集会、ましてや組合を作ることも徹底的に
潰される。
それでもやがて従業員が会社を相手取って
訴訟を起こし始めた。
係争中がいくつも平行している。

アメリカ人さえこんな会社のやり方について
「アメリカ人のやり方じゃない。
幹部はアメリカ人かもしれないが、
まるで中国みたいなやり方だ」と言っている。

儲かりそうな地域を狙って、進出していき、
地元の小売店を悉く潰して
自分の店が独占する。


激安のからくりは、人件費を削減して奴隷まがいの労働環境で働く
労働者の犠牲によって作り出されたものだ。

今、日本も同じような状況になっていないだろうか。
昔のように、使う側と使われる側との相互信頼によって
どちらも利益を得るようなシステムを
守っていかなくてはならないと思う。
TPPによってその日本の良き雇用形態も
変えられてしまうのではないかと
本当に心配する。
(まあ・・・・、もうずいぶん変わってしまっている所も
あるけれど・・・)
(以上ウォルマート前編)




ウォルマート後編



後編は、ウオルマートが輸入している中国の実態だ。
中国の工場では一日「三百円」(2005年当時)で、
寮から出ても寮費は差し引かれる。
中国の従業員は言う。
「ウオルマートのお客さん、
何故安い値段で買えるか考えたことありますか。
それは、私たちがこき使われているからよ。」

ウオルマートは、地元の小売店を軒並み潰すだけではない。
州や市から出店の際、なんと補助金を貰っている。
小売店はそんなもの一切もらえるはずはない。

酷いのはその後だ。
助成金を貰って出店し、小売店を潰したその後、
ウオルマートは引っ越す。
市境ギリギリの所にだ。
そうすると「市内」じゃないからもう、市に税金は落ちなくなる。
ウオルマートに助成した金は勿論、税金だ。
助成金は、その州や市や町の教育予算を削って出されたものだった。
国家にとって一番重要な教育が犠牲にされた。

また、いっそう深刻なのはウオルマート敷地内(駐車場)で
頻発する犯罪だ。
車上狙いや泥棒、強盗、発砲事件、強姦そして
ついには19歳の女子大生が
殺害されるという最悪の事態にまで至った。
ウオルマートには多くの防犯カメラが設置されていた。
しかしそれは組合活動を監視する目的のもので
実際に犯行を監視している者はいなかったし、警備員も、外回りには
一人もいなかったという。
ウオルマートの治安の悪さは、アメリカ中の知るところとなった。
その後、新たに出店しようとするも、
地域住民がウオルマートの危険性を感じ
市民が地元を守るため一致団結、
ダビデが巨人にはむかうようなもの、と
言われながらも、出店阻止に成功する。
するとと各地で出店拒否が起きて
反ウォルマート議員が次々と当選していった。
・・・・・・・

という所で映画は終わる。
これは人ごとではないと思う。
日本の地方も同じような状況になっているのだから。

この後、ウォルマートは、この映画が上映されてから
ようやく改善に乗り出し、状況はこのころよりは
少しは良くなっているという。
ハリケーンカトリーナの大被害の時も、全米で一番多く
寄付をしたらしい。

それも一本の映画のおかげなのだ。この映画が上映されなければ
ウォルマートの「快進撃」はずっと続き、
そのための犠牲は
拡大していただろう・・・・。


一本の映画、良くも悪くも大きな影響力を持つということだ。
日本も、敵と闘わなければならない。
この映画のような、力を持った映像を携えて。

TPPという名のウォルマートが日本にやってきて、
軒並み日本の製造業、農業を潰し、雇用を奪い
日本人が奴隷のようにこき使われることがないように、
一致団結してTPPに反対していかなければならないと思う。