「日本の一番長い日」
監督・・・岡本喜八
出演・・・三船敏郎 笠智衆 志村喬 山村聡 加藤武 伊藤雄之助
児玉清 高橋悦二 加東大介 小林圭樹 宮口精二 黒澤年男
熱、迫力ある渾身の一作。
日本人は見るべき。
重臣達の痛恨の落涙、「日本にはもう戦う力なぞは・・・・。」
青年将校らの狂気にも似た熱情、それぞれの苦渋の胸の内が
痛いくらいにこちらに迫り、同じように終戦に立ち会ったかのような
気持ちにさせられた。
「良い、悪い」「正、邪」の別などない、そこには確かに祖国を愛すると言う
純粋な思いがあったのだ。
あとからなら、何とでも言える。
しかし、当時は精一杯、ギリギリの決断の積み重ねがあったであろう。
そのような重みある深い内容であるにも関わらず
映画としての娯楽性も充分あり、サスペンスを高めながら終盤まで
一気に全く飽きさせることなく疾走するが如く
突き進んでいく演出は見ごとなものだった。
俳優陣がまた、素晴らしく、現在ではもうこれだけの映画を作るのは
根本的に無理だろうと思う。
セリフの一つ一つが、胸に突き刺さる素晴らしい作品だった。