監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
「私のための本だ・・・・・」
主人公、ヴィスラー、まさに彼の為に書かれた「善き他人の為のソナタ」であった。
シュタージ局員のヴィスラー、劇作家ドライマン、女優クリスタ・・・・
・・・・ヴィスラーの心の中でだけ三角関係、のような奇妙でスリリングな愛の形だ。
冷徹で真面目一方のヴィスラーが、ドライマンとクリスタを通じて
自由や愛や芸術に目覚めて人間性の扉を開いてゆく・・・・。
ハラハラドキドキした。暴力もない、血もない、残虐なシーンもない、それでも
これだけのサスペンスを描ける。
作品の力と重みを感じる。