日中間の対立を原因とする中小旅行会社の破綻が相次いでいる。沖縄県・尖閣諸島の国有化を受けて反日デモが緊迫化した9月以降、中国を訪れる日本人旅行者は大きく減少しており、「中国旅行の比率が高い旅行会社の倒産が今後も出る」（業界関係者）との声が上がっている。
東京商工リサーチによると、中国・北京に事務所を開設し、事業を積極展開していた日東トラベル（岡山市）が26日までに事業を停止、破産申請の準備に入った。東日本大震災の影響で売り上げが落ち込み、中国旅行の減少が追い打ちをかけた。負債額は約5億円。
また、帝国データバンクによると、中国旅行専門の二十一世紀旅行（東京都千代田区）は20日付で事業を停止、来年1月に破産申請する。中国の旅行会社と業務提携し、中国への視察ツアーを中心に展開していたが、9月以降は受注が激減、資金繰りに行き詰まった。負債額は約5000万円。