細長い建物の礼堂を眺めながら、
公開されている御影堂へ。
礼堂(重要文化財):鎌倉時代
南北19間の細長い建物の南側8間が礼堂
北側10間が東室、その間の1間は、馬道
(めどう)と呼ばれる通路になっている。
御影堂は、境内の北側に位置する
土塀に囲まれ、ひっそりとした
瀟洒な建物。
御影堂玄関門
御影堂の元は、興福寺の別当坊だ
った一乗院宸殿の遺構で明治以降
は県庁や奈良地方裁判所の庁舎と
して使われていたものを1964年
(昭和39)に移築復元したもの。
御影堂全景(重要文化財)
国宝の鑑真和上坐像が奉安されて
おり、東山魁夷画伯のふすま絵、
障壁画などが収められている。
鑑真和上坐像(国宝):天平時代
東山魁夷画伯が、昭和46年から
57年にかけて描いた、鑑真和上に
捧げた大作。
山雲(さんうん)・上段の間
濤声(とうせい)・宸殿の間
黄山暁雲(こうざんぎょううん)・桜の間
御影堂の国宝の鑑真和上坐像を
じっくり拝見し、東側の静かな場
所にある鑑真和上の御廟をお参り
御廟入口門
古びた御廟門から真っ直ぐに延び
た参道の両側には、苔を敷いた
杉木立に囲まれている。
夕方近くの傾いた陽に木立の陰が
落ちた青苔は、いかにも御廟らし
く、厳かで幻想的な世界だった。
私たち二人だけだったので、
静寂の中にわずかに風の音と
野鳥の声が聞こえるばかり。
木々の緑が囲む小高い築山の上に
石塔が建ち、幾つもの木漏れ日が
それを照らしていた。
心が洗われるようで、自然と手を
合わせていた。
開山御廟
14年ぶりの薬師寺と唐招提寺は
やはり素晴らしい名刹だった。
おまけ
国宝の宝蔵(左)と経蔵:奈良時代建立
戒壇:僧となるための授戒が行われる
奈良西の京の薬師寺と唐招提寺(了)