京都の野鳥たちートラツグミと鵺伝説 | 京都案内人のブログ

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この写真の中にトラツグミがいるが…

 

 

 

 

 

トラツグミは、暗い森や林の中を好む性質から、

 

市街地ではあまり見かけることはない。

 

 

 

 

 

最上部の写真の中央部を拡大

 

 

 

 

 

 

しかしこの数年、開けた林の中や明るい場所でも餌を

 

探す姿を見るようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このトラツグミの模様は、かなり保護色になっていて

 

ちょっとでも目を離すと、どこにいるか分からなくなる。

 

 

 

 

 

 

枯れ葉の中に溶け込むように佇むトラツグミ

 

 

 

 

 

トラツグミといえば、平家物語にある源頼政の

 

「鵺退治」の説話がよく知られる。

 

 

 

 

 

源頼政「鵺退治図」:仙台市・愛宕神社所蔵

 

※時の近衛院が夜な夜な聞こえる不気味な声に怯えるため、その正体を

突きとめるべく、源頼政を召し出した。頼政が夜毎、御所の庭を警護し

ていると鬼門の北東の方角から黒雲が湧き上がって御殿の屋根に降りた。

頼政はその得体の知れない影に向かって矢を射た。大屋根から落ちてきた

射止めた正体は、頭は猿で胴体は狸、尾は蛇、足と手は虎の姿だった。

 

鵺図

 

 

その鳴く声は鵺に似ていたというもの。鵺は、夜に口笛に似た声で鳴き、

「黄泉つ鳥」と呼ばれ不吉とされていた。

今では「ヒィー、ヒョー」の声からトラツグミだとされる。

 

 

 

 

 

 

 

この時代、正体の知れないものを複合獣として

 

「今昔物語」や「山海経」などに種々の説話が記されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また十二支の組合せを怪獣に見立てたことなどが、

 

頼政の武勇や弓の名手などの要素が重なって、

 

説話として伝わったとされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トラツグミは滅多に鳴かないが、飛び立つ時に

 

「ヒュー」と鳴くが、まさにその声を夜に聞くと、

 

何となく不気味に聞こえる。

 

 

 

 

 

トラツグミ(虎鶫):スズメ目ツグミ科

日本では留鳥として、夏に北海道へ渡来する。

体長は30cmあり、ツグミの仲間では最大。

羽毛の色や柄がトラに似るところから名付けられた。

暗い林や森を好むが、最近は明るい場所でも見かける。