地蔵川の梅花藻
もう10年以上前のことだが、
旧中山道の醒井宿を訪れたことがある。
旧中山道の醒井宿(米原市醒井・2009年8月)
真夏の炎天下だったが、地蔵川に咲く梅花藻の
白い花を観ると、途端に暑さを忘れた。
地蔵川の十王水:
平安中期の天台宗の高僧・浄蔵法師が諸国遍歴の途中、この水源
(灯篭の右上)を開き、仏縁を結ばれたと伝わる。
もとより浄蔵水と称されていたが、近くに十王堂があったことから
「十王水」と呼ばれるようになったという。
梅花藻の白い花(赤い色は百日紅の散った花)
醒井宿は、かつて中山道の要衝で、江戸時代には
宿内家数138軒、うち本陣1軒、脇本陣1軒、旅籠が
11軒あったという。
中山道分間延絵図・醒井宿部分(東京国立博物館蔵)
江戸時代の醒井宿の絵図:
街道に沿って(下)地蔵川と、その右側に居醒の清水が描かれている
今は、その面影は残っていないが、この街並みを流れる
地蔵川の梅花藻は有名で、夏には多くの観光客が訪れる。
かつての醒井宿(左側に地蔵川が流れる)
清流地蔵川
この日は、平日だったからかほとんど見物人を
見かけなかった。
写真の中央付近に居醒の清水がある
梅花藻
この地蔵川は、居醒の清水から湧き出ており、
水温は年間を通じて14度ほどに保たれ、
梅花藻の生育に適している。
居醒(いさめ)の清水
梅花藻は、初夏から晩夏にかけて小さな白い花が
川面から顔を出す。