また一つ、京都の昭和の名残が消えた。
市内のほぼ真ん中にあった、昭和を象徴するような
アパート「宝荘(間之町押小路上ル)」が消滅。
大家さんの承諾をいただいて、アパート内の廊下を撮影(2008年6月)
ご近所のお店の方によれば、大家さんが高齢で
アパート経営をやめ、2年ほど前に取り壊されたという。
跡地は、街の景観には最悪のパーキングになっていた。
ここ数年、京都の市中の景観の変貌は目に余る。
いつの頃からか、インバウンドなる言葉がもてはやされ、
日本経済は外国人観光客に頼るようになってしまった。
平楽寺書店(2015年6月撮影・2017年消滅)
現在の平楽寺書店(2020年2月)
結果、次々と町屋を取り壊してホテルの建築ラッシュ
が始まった。
こんなことがいつまでも続くわけがない。
このままでは、京都らしさの町屋や景観が消滅してしまう。
と、嘆いていると、今年に入ってのコロナウィルス騒動。
京都からは、とくに中国人観光客はいなくなった。
ゴロゴロ、ガタガタのあの音もすっかり聞こえなくなり、
京都の町は静かになったように感じる。