「北斎漫画」・半紙本1冊・1814年(文化11)
若い頃、老舗の古書店の店頭で「北斎漫画」を見つけた。
本物と同じように和紙に摺られ和綴じされたもので、
値段は一冊5,000円ほどで、十数冊あったと記憶する。
おそらく近代に復元印刷されたものだろうが、
当時の薄給では手に入れることができなかった。
それでも、今思えば借金をしてでも手に入れる
べきだったと、大いに後悔している。
4:北斎漫画の誕生「戴斗号時代」
「北斎漫画」初編再刻本と初編袋
・半紙本1冊・1828年(文政11)
ちなみに、「漫画」とは現在のマンガとは違い、
漫然と描いたという意味。
1814年(文化11)の初編から明治まで再版が
繰返された大ベストセラー絵手本。
「北斎漫画」八編:1818年(文化15)
「北斎漫画」九編:1819年(文政2)
全15冊に描かれた絵は、各種の職業や風俗、相撲、
幽霊や妖怪から歴史人物、建物、風景、動物や草花、
魚介類など実に3,900余の膨大な数が収められている。
「北斎漫画」十編:1819年(文政2)
北斎漫画は1819年(文政2)までに十編が出版されて
一応の完結を迎えた。
しかし北斎はその最晩年まで、精力的に絵手本を描き続けた。
「北斎漫画」十三編(刊年不詳)
「北斎漫画」十四編(刊年不詳)
北斎が没した後も残された絵手本は出版され、
十五編が出版されたのは1878年(明治11)のこと。
いかに人気があり、ベストセラーだったことを証明している。
「北斎漫画」十五編:1878年(明治11)
北斎は漫画以外にも様々な絵手本を発表し続けた。
その内容は職人を対象としたものや絵画制作のための
技法書など、多種多様に及んだ。
「略画早指南」
・中本2冊・1812年(文化9)頃
「良美灑筆」
・大本1冊・1819年(文政2)
「北斎画式」
・大本1冊・1819年(文政2)
その後も北斎の進化は止まらず、画業の集大成とも言える
「冨嶽三十六景」へと繋がってゆく。
「富嶽百景・登龍の不二」
・半紙本3冊・初編1834年(天保5)
「富嶽百景・海上の不二」
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