心に向き合い、
いまやるべきことをやる
自分が本当にやりたいと思うことを優先する
「はぐれ雲は一つのところにとどまっていない、もとより高い山々を愛しているのだから。人里での暮らしを知ろうとも思わない、ただ月を見ながら松の根元に眠る、それで私は十分なのだ」
・・・・・・空海が良相公(桓武天皇の息子、良峯安世。(よしみねやすよ)空海と親交が深かった)から手紙に答えて贈った漢詩の一節です。
良相公は、都で活躍することを期待されているのに山にこもっている空海に、「なぜ都におりてきてくださらないのか、それではいたずらに玉(ぎょく)を懐(いだ)いているようなもので、せっかくのお力が役に立たないではありませんか」と、山を下りるよう促す丁重な手紙を送っていました。
孤雲(はぐれ雲)とは空海自身のこと。いまはまだ動くときではなく、にぎやかな都で働くよりも静かな冥想が大事なのです。修行の場である山中こそ自分の居場所なのです。
名声を得ることなど空海は興味がなかったのです。
誘いのことばに軽々(けいけい)に乗らず、いまの自分に大事なこと、心からやりたいと思うことを優先しているか。
私達もときどきそんな反省が必要かもしれません。
・・・・・・つづきは
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