第一章
灰色の霧の中だった
あたりはしんとしている
今何時だろう


 いつもの様に時計に手を伸ばすが


 腕も手も
 動かない
 
お弁当作らなきゃ
咄嗟にそう思った


すると柔らかな風が頬にふれた
 霧をふわりとどかしたと思うと
 その向こうには空があり
 どこまでも青く、高かった
 鳥のさえずり
 木々は光を浴びて輝き
 濃い緑の匂いが辺りに満ちた
 金色の光が私を暖かく照らす


 もう朝なんだ・・
 早く起きなくちゃ


するともがく私の目の前を小さな虫が横切った
それは私にとまり
ぐるぐると何かを探しているようだった 
何この虫!
頭に来て払おうとした


その時

虫は腕の中にゆっくりと吸い込まれ

消えてしまった

何が起きたの?

消えた所をよく見た

わずかに動いている


私はそこから目が離せなくなった

何故なら              それは何百、何千もの白い大群
止まった虫が埋もれてしまうほどの蛆だった
我先にと肉を貪るために体をドクドクと躍動させている 


嘘でしょ・・


何千もの大群は私の腹から胸に貼り付き
目玉の中や口の中にまでザワザワと激しく蠢いていた
ぴちゃぴちゃと貪る音がする


これ私なの・・?


遠くからでは人間とわからない程だっただろう
死肉を喰われ続けていたらしい私は  肋骨や内臓が見えていた
異様な匂いが辺りに立ち込めている
いつから?

どのくらいここにいるんだろう?
家に帰らなきゃ、家族は?


家族って・・
誰がいたんだっけ・・?

2章につづくー


更新はゆっくりです。

今後は官能小説なども書いていきたいんです。

よろしくお願いします。