【タイトル】 中国行きのスロウ・ボート

【著者】 村上春樹

【出版社】 中公文庫

【発売日】 1986/1/10

【読了日】 2022/6

 

【読んだきっかけ】

本棚整理きっかけで村上春樹さんの本を読み直すキャンペーンをしており、再読。

村上春樹さんにとって最初の短編集であるが、初めて読んだときは、村上春樹さんのエッセイに思えてしょうがなかった記憶。

 

【感想】

表題作である「中国行きのスロウ・ボート」は、”僕”の出会った二人目の中国人の話が、なんとも、取り返しのつかない話でつらい。この短編は、読むたびに少しずつ理解できる気がする。まだ自分の読み方が浅い気がする。

 

今回の読み直しでは、「貧乏な叔母さんの話」がいちばん面白かった。言われてみれば、存在感の薄い、でもいろんな記憶に登場する、そういう叔母さん、いるかもしれない。そういう叔母さんの話が、壮大なスケールに発展していく意外性が愉快。

 

「シドニーのグリーン・ストリート」は、羊男が登場してびっくりした(すっかり忘れていた)。

羊男。いつもちょっととぼけていて、小さなこと(本人にとっては大きなこと)に困っていて、小さなことにすぐ喜び、また何かやらかすだろうな、と思わせる存在。