ヴュルツブルクのマイン川に沿ったマリエンブルク要塞、その地に立つマインフランケン美術館。元は要塞の武器庫だったという。そこにリーメンシュナイダーの作品が集められた部屋がある。そこで気になった作品の一つ、「悲しみのマリア」。19世紀にはある農家の倉庫の煙突にくくりつけられていたと言う。アートディーラーのイザーク・シュトラウスが安く購入。もう一体ヨハネ像があったが虫食いが酷くシュトラウスは火に焚べてしまったという。しかし「手の美しい」マリアは後にマインフランケン美術館が購入した。



このマリア、たぶん磔刑像のイエスを見上げていたはず。直接的な悲しみは感じられないが、謎めいた表情には魅かれる。

 余談だが、どうもこのイザーク・シュトラウスは、あのレヴィ・シュトロースの曾祖父でエマニュエル・トッドの親戚らしい‥。