町田市立国際版画美術館で開催中の『自然という書物 15~19世紀のナチュラルヒストリー&アート』展の第2章 マテウス・メリアンつながりで娘のマリア・ジビラ・メリアンの『スリナム産昆虫変態図譜』。これはよく知っているが、実物のなんと大きいことよ!(520×370×40mm)。 つまり縦が50cmを超すというもの。

 

2021年の5月というから、ちょうど2年前にブログに書いた。画像も載せているが、こんなに大きな絵だとは思っていなかったので、驚く。

図録には載っていないものをあげてみよう。

:Banana Maria Sibylla Merian 1705 plate XII

バナナと蛾であるが、それぞれ1枚の絵の中に、花、緑色の果実、熟成した黄色の果実が描かれている。蛾も卵、幼虫、さなぎ、成虫。

 この絵は、毛虫はともかく、バナナの花も美しいし黄色い果実もきれいに描かれている。ところが、思わず鳥肌が立ちそうな不気味な絵もある。

Colored copper engraving from Metamorphosis insectorum Surinamensium, Plate XLIII. "Spiders, ants and hummingbird on a branch of a guava" (Tarantula: Avicularia avicularia)

これはエングレーヴィングとある。グアヴァの枝のクモ、アリ、とハミングバード(タランチュラ)

すっかり食われちゃったグアヴァ。

どう見ても花や果実より虫の方が好きという感じ。虫めづる姫という話もあったが、虫めづる……。

ところで、画像よりも、実物の方がずっと色彩も美しい。この本を見ることができて本当に良かったと満足している。今やマリア・ジビラ・メリアンの名はよく知られていると思うが、実物を見る機会はそうそうないのでは。必見の一冊!

ところで荒俣宏編著の『神聖自然学』を図書館で借りて、見ていたのだが、この中にもマリア・ジビラの『スリナム産……』を取り込んだ絵があった。今なら著作権侵害というところだが。それはまたこの次に。