友だちにある本を貰った。『レメディオス・バロ 予期せぬさすらい』(ジャネット・A・カプラン著、中野恵津子訳、1992年 リブロポート)

実は、全く知らない画家だったのだが、この本を見て惹かれるものがある。レメディオス・バロ(1908-1963)はスペイン・ジローナに生まれ、1930年にはパリに移りシュルレアリスム運動に影響されたという。パリに進軍したナチスの迫害からメキシコに逃れ、結局そこで亡くなった。本人の写真を見ると美貌の女性。自分のファンタジーの世界を描いているようでいて,底にはヨーロッパ的な絵画の伝統も感じる。

表紙の絵は『星の捕獲者』という1956年の作品。右手に捕虫網を持った女性が(この衣装は女性性そのもののようだ)左手の籠に淡く光る三日月を閉じ込めている。どこに持って行こうというのか、行先も定めているとは思えないが、毅然と前を向いている女性は決して弱そうではない。

裏表紙は『螺旋の道』1962年 これは錬金術の絵に影響を受けたようで、彼女はたくさんの錬金術の本を読み漁ったのだという。奇妙な船に乗った人が螺旋の中央を目指す。このイメ―ジはエッシャーをおもわせるところもある。

 

彼女の作品は、本の表紙にもいくつも採用されている。

 

 

 

 

どれも読んだことはないが表紙につられた買ってみたくなる。