広重の六十余州名所図会を見ていたら,常陸鹿嶋大神宮というものがあった。

 『六十余州名所図会 常陸 鹿嶋大神宮』

この作品を見て驚いたのは,大鳥居が海の中にあることである。もちろん現在の大鳥居は陸上にある。広重の頃、江戸時代は鳥居は海中にあったというわけか。厳島神社のように?

しかも,かなり山を昇っていく。このように海の方から見下ろす視点は現実にはあり得ないのだが,海から入り,山を昇っていく神社,わくわくするではないか!現在の鹿島神宮の鬱蒼とした暗い森の雰囲気は好きだが,これも良い。それこそ神の視点から描いた作品。