東京国立博物館で「日本の国宝展」の中で,数々の国宝の中でも心にのこったもの。

法隆寺献納宝物の一つ,灌頂幡。この金工細工の繊細な美しさに惹きつけられた。この写真では伝わらないかもしれないが、これは本当に高い水準の金工。

Periodo asuka, kanjo ban, VII sec photo by 

sailko

CC 表示-継承 3.0

これが一体何なのかについて、文化庁のHPより  テキストを引用する。

『解説文:
法隆寺から皇室に献納された宝物類(法隆寺献納御物の名で親しまれ、正倉院の宝物と並び称されている)の中に含まれているものである。
 灌頂とは受戒、結縁等に際して受者の頭頂に香水をそそぐ仏教の儀式。金銅灌頂幡(こんどうかんじょうばん)は仏堂荘厳具の一つで、金銅の板金に忍冬唐草(にんどうからくさ)、雲、仏菩薩、飛天などを透かし彫りにし、線彫りを加えたもので、上部に四方流れ造りの天蓋(てんがい)をつくり、その四辺に瓔珞(ようらく)を飾り、内側に六節一連の大幡と三節四連の小幡を吊るしている。金銅板でこれほど古くまた完好な遺品は他に見られない。施入者と伝えられる片岡御祖(みおや)命についてはよくわかっていない。』
国指定文化財等データベース 文化庁

片岡御祖(みおや)命については,聖徳太子の娘ではないかという説がある。この金メッキ,元はきらきらと光り輝いていたわけで、それを想像するとさらに素晴らしさが際立つ。