この岩場の上の風車を見て,これは誰の作品かわかるだろうか?私ならば、ロイスダールなどと言ってしまいそうだ。

 The Windmill at Wijk bij Duurstede   Jacob van Ruisdael  (1628/1629–1682) circa 1670
 Rijksmuseum  

実のところ共通点は風車ということぐらいで,よく見れば全く違う。ロイスダールのはとても立派な風車で重厚。描き方も。上の作品はどこか吹き飛ばされそうな、岩場から転げ落ちそうな危うげな風車。タッチも軽やか,でいながらこの岩の微妙な凹凸をさっと描き表すのは大した力量。これは,ブリューゲルの作品のdetail。全体はこんな作品。

Pieter Brueghel the Elder  (1526/1530–1569) The Procession to Calvary
Date    1564 Kunsthistorisches Museum 124 × 170 cm

『ブリューゲルの世界』(マンフレート・ゼリンク著,熊澤弘訳、2020 パイインターナショナル)より。

よくもまあ,この画面の中にいろいろなモチーフを詰め込んだものだ。視点が一つに収斂しない。

この男の荷物は何なのだろう?

背景の山々、街並み。

右上、背景。